通信大学で教員免許を取得した講師の弱点

通信大学で教員免許を取得した場合、学校現場で不自由に感じることがたまにあります。それは、「ほとんどの教員は教育学部を卒業し教員になっているため、教員免許の取得方法が異なっていること」です。

つまり、普通の大学と通信大学での教員免許の取得方法が異なってくるのです。もちろん教員免許自体は全く同じものです。違いはありません。

例えば、小学校の教員同士の会話で次のようなものがあります。

「私の専門は数学なんだけど、君は何だったの?」

通信大学で小学校の教員免許を取った場合、特に専門と言うものはありません。そのため

「通信で教員免許を取得したため、専門はありません。」

このように返すことになります。特にこのこと自体は不自由に感じることはないのですが、このように、周りの教員とは違った経路で教員免許を取っていると、周りの教員の常識を知らないことが出てくるのです。

指導案の書き方

通信大学で教員免許を取得し、講師として学校で働く先生のほとんどが困ること。それは「指導案の書き方」でしょう。

講師と言えど担任を持っていると、指導案を書くことがあります。例えば、教員採用試験に合格していれば、初任者研修で大量の指導案を書くこととなります。また、普通の大学の教育学部に通っている経験を持っていれば、大学で若干なりとも指導案を書く練習を行います。

ところが、通信大学で教員免許を取得している最中に、指導案を書くことはありません。唯一、教育実習の時に、数枚書く程度です。

そのため、「今度の授業参観のために指導案を書いてください」と言われると、非常に困ってしまうのです。過去の指導案を色々参考にしながら書くのですが、何が何だか良く分かりません。かろうじて出来上がったものを、学年主任に提出しても、大抵NGを出されます。

また、指導案を書くソフトが、当時は「秀丸」が主流でした。全く使い方が分かりません。最近ではワードを使用する学校も多くなってきましたが、年配の先生は秀丸を愛用していたため、それに合わせなければなりませんでした。

1枚の指導案を完成させるのに、考えられないくらいの時間を費やした記憶があります。

授業の仕方

そもそも、授業の仕方は通信大学では勉強しません。教育実習の1週間で少し授業を行う程度です。採用試験に合格した初任者の場合は、指導教官が付き、授業の仕方を手取り足取り教えてくれます。しかし、講師の場合は基本的に誰も教えてくれません。

突然本番が始まるのです。自分で試行錯誤しながら授業を行っていく必要があります。

大抵、学年部で「今週、この教科はこのくらいまで終わらせよう。」といったことを学年会議で決めます。そのため、逆算しながら1日どのくらいのペースで授業を行っていけばよいのかはなんとなく分かります。

ただし、どのように授業を行えばよいのかは手探り状態です。そのため、「自分が小学校の時に、こんな感じで授業を受けたよな・・・」という薄い記憶を辿り、授業を行っていくことになります。

このようなことがある為、少しでも時間が空くようなことがあったら、誰でも良いので、授業見学をさせてもらった方が良いと思います。

校務分掌の仕方

校務分掌とは、学校運営をするために必要な業務です。よく「分掌」と呼ばれます。例えば、「生徒指導部」「交通安全」など、かなりの数あります。そして、それぞれに代表者が付き、関連各署と連携を取り運営を行っていきます。

大きな学校の場合、正規の教諭がそれぞれの文章の代表になるので、講師は特にすることがなかったりします。また、1人の教諭が複数を掛け持ちしたりします。

ところが、小さな学校や、所属している教諭が忙しかったりすると、講師だとしても公務分掌の責任者になることがあります。

例えば「交通安全」の責任者になったとしましょう。この場合、地域の警察と連携を取らなければなりません。例えば低学年の交通安全教室や自転車教室と言った行事がありますが、これらの日程の調整をする必要があります。もしこれらの調整を忘れていたりすると、行事自体ができなくなってしまう可能性もあります。

そのため、関係各所と連絡を取ったり、決まったことを職員会議で発表したりするわけですが、関係各所といつ連絡を取れば良いのか、全く分からないのです。

分からないことは、先輩の教諭に基本聞けば良いのですが、聞いてもしっかり教えてくれる人もいればそうでない人もいます。それに毎回聞くのも気が引けます。ただ、しっかりと予定を組まないと、後で非常にまずいことになるので、何度も何度も分からないことは聞きに行くしかありません。

このように、後半は講師の事になってしまいましたが、全体を通して言えることは、通信大学では、完璧には先生のイロハを学ぶことができないということです。そのため、持っている教員免許は同じだとしても、一般の教諭に追い付くためには、学校現場でも相当の苦労をしなければなりません。

「分からないことは聞く。何度も何度も聞く。聞きづらくても聞く。」

これを頭の隅に置いておいた方が良いと思います。


 

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