教師文化

教師という職業に固有の文化。教師が共有している理念・信念・慣習・伝統などの総体をいうが、それは、教師の仕事を支え、規定している知識や行動様式と密接に結びつけられている。  

教師文化の特色として、佐藤学は、「再帰性」、「不確実性」、「無境界性」の3点をあげている。

「再帰性」とは、教師が実践を通して、再帰的に教師文化を再生することを指す。道徳的説教に明け暮れる教師は、自らを偽善的な「徳の権化」に教育する。実践に行き詰まると、子ども・家庭・社会を批判するが、批判すればするだけ、結局は、自分自身の責任の問題に帰ってくる。こうした「再帰性」は、教師の仕事を孤独なものとし、教室を聖域=外部からの批判から逃れるシェルターにしてしまう。

「不確実性」とは、教育実践において確実なものがないという状態。ある教室で効果的であったプログラムが、別の教室で有効である保障はない。教師の実践を客観的に評価できる安定した基準は存在しない。これが、「安定」を求めて、既存の権威や権力への追従、授業の形式主義とマニュアル主義などの教師文化を生み出す。

「無境界性」とは、教師の職務領域が無制限に拡大することを指す。子どもの指導は、家庭や地域の問題にまで踏み込まざるをえない。それが、職域と責任の無制限な拡大、および専門性の空洞化を招くことになる。授業よりもクラブ活動に生きがいを覚える教師の出現や疲労とストレスの蓄積の背景になっている。

 

 

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