教員免許を取得すること自体はそれほど難しいことではありません。
難易度でいうと、教員採用試験に合格することの方がはるかに難易度は高いです。
要するに、大学であれば授業に出席し単位を修得すればよいです。通信大学であればレポートと試験に合格すればよいです。
比較対象を何にするのかにもよりますが、たとえば一般的な大学受験の勉強に比べれば全然楽といえます。
教員養成課程のある大学へ 大学に入学する難しさもそれぞれ
教員免許を取得するためには、基本的には「教員養成課程」が設置されている大学で勉強をする必要があります。
教員養成課程とは、学校の先生を目指す学生のために大学に設置されている過程のことです。一般的なイメージとしては教育学部かもしれませんが、教育学部以外でも教員免許を取得することができます。
大学の難易度はさまざま
教員免許を取得するためには一般的には大学に入学し、そこで勉強することで取得することができます。
たとえば小学校の教員免許が欲しい場合には、小学校の教員免許を取得するための教員養成課程が設置されている大学に入学する必要があります。
ところが同じ小学校の教員免許を取得するにしても、大学によって偏差値が異なってきます。
- 早稲田大学(60-67)
- 千葉大学(50-57)
- 静岡大学(47-52)
- 常葉大学(42-50)
- 帝京平成大学(37-45)
一部を紹介していますが、これらの大学で小学校の教員免許が取れます。かなり偏差値が異なることが分かるかと思います。
取得できる教員免許は同じ
大学の偏差値はかなり異なりますが、取得できる教員免許は同じとなります。
さらにどこの大学出身だからといって、教員採用試験で優遇されることはありません。もちろん教育現場でも扱いがよくなるというわけでもありません。
つまり「大学へ入学する難易度の違いはあるが、取れる教員免許に違いはない」ということになります。
いろいろな考え方がありますが、無理して偏差値の高い大学で教員免許を取らなくても、自分のレベルに合った大学で教員免許を取ればよいと思います。
学歴を少しでも高くしようと考えるのであれば、偏差値の高い大学に挑戦するのもアリだと思います。
免許を取得するための難易度はそれほど高くはない
教員免許を取得するためには、教員免許を取得するために必要な単位を修得する必要があります。
難しそうに聞こえますが、普通に大学に行って普通に授業を受けていれば問題はありません。
しかし人それぞれ能力が異なり、得意不得意が分かれるものです。
そこでいろいろな要素に目を向けて、難易度を考えてみたいと思います。
学習量と時間のかかる科目
大学の教員養成課程では、教育学や心理学、教科の専門知識など、多岐にわたる分野を学びます。
授業後には試験やレポートがあるため、単位を修得するためには授業内容を理解する必要があり、それらの勉強に時間が費やされることでしょう。
教員免許取得のためには一定の単位を修得する必要があります。計画的に勉強を進めていかなければなりません。
教育実習
教員免許を取得するためには、必ず教育実習に参加する必要があります。
教育実習の現場では、指導してくれる先生の指示に従い指導計画書を作成したり、授業を行ったりすることになります。
指導計画書の作成は慣れていないと難しく、なかなか作成することができません。
また授業も、はじめのうちはどうしても上手くいかず、悩んでしまうこともあるでしょう。
卒業論文
卒業論文は、教員養成課程の最終課題として独自の研究を行い知識を深めるための重要なプロセスです。
一般的に大学を卒業するためには、卒業論文が必要となります。
大学を卒業しなければ教員免許を得ることができないため、それはつまり卒業論文が合格しなければならないということになります。
レポートと試験
通信大学で教員免許を取得するのなら、単位を修得する際にはレポートと試験に合格する必要があります。
教員採用試験の競争率と対策 難易度がかなり高い
ここまでお話ししてきたように、教員免許を取得すること自体は難しくありません。
しかし問題は教員になるための試験である「教員採用試験」に合格する方が難易度が高いのです。
教員採用試験は、公立学校で働くために必要な試験であり一般的に筆記試験と面接試験があります。
筆記試験では、教科知識や教育学、心理学などが問われます。面接試験では、教育に対する意欲や適性が評価されます。
難易度(倍率)には地域差と科目差がある
教員採用試験は、全国の各都道府県、そして政令指定都市で毎年実施されています。
倍率は地域によって異なりますし、受験する科目で異なります。
たとえば小学校の教員の倍率は比較的低めです。なぜなら募集の数が多いためです。といっても4倍~5倍はあります。
全国の教員採用試験 参考倍率
倍率は毎年変動しますが、倍率の参考値を紹介しておきます。
小学校 | 数学(中) | 社会(中) | 理科(中) | 英語(中) | 美術 | 音楽 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
宮城 | 1.4 | 1.6 | 5.4 | 1.5 | 3.2 | 3 | 1.5 |
埼玉 | 1.8 | 4.3 | 6.4 | 2.1 | 2.1 | 1.5 | 2.6 |
東京 | 1.4 | 2 | 4 | 2 | 1.8 | 2.1 | 3.6 |
静岡 | 3.5 | 5.5 | 6.3 | 7.7 | 3.1 | 5 | 2.7 |
愛知 | 2.4 | 2.8 | 4.8 | 1.6 | 2.9 | 3.1 | 4.3 |
大阪 | 2.7 | 3.1 | 7.8 | 1.9 | 3.4 | 1.7 | 4 |
沖縄 | 3.4 | 7.3 | 6.9 | 3.4 | 10.6 | 1.2 | 5.4 |
※当サイト調べ
比較的「小学校」の倍率は他の教科に比べて低目となっています。
また地域によって同じ教科でも倍率が大きく違うことが分かるかと思います。
とはいえ、これだけの倍率になっているのです。
2倍や3倍もハードルは高め
2倍や3倍と聞くと倍率が低いように思えるかもしれません。
しかしこれは、「勉強をしてきている人たちの中での倍率」です。
徹底的に試験対策をしてくる
たとえば私の知る教育学部の場合、大学3年生までに教員免許に必要な単位をほとんど取り終えてしまいます。そして大学4年生では徹底的に教員採用試験の試験対策を行います。
基本的には夏に採用試験があるため、約半年間、教員採用試験用の勉強をしているわけです。
しかし一般的な大学で教員免許を取得した場合には、そこまで教員採用試験用の勉強を行うことはありません。まったくしない場合もあります。
つまり全然レベルが違うのです。
さらに通信大学で教員免許を取得した場合、採用試験の対策は完全に自分で行うことになります。
よって対策をしてくる人とそうではない人の差は大きいのです。
試験対策のポイント
教員採用試験を受験するのであれば効果的な対策が必要となってきます。
たとえば以下のような対策が必要となるでしょう。
- 早期からの対策
採用試験は毎年実施されるため早い段階から対策をはじめることが重要。 - 過去問の活用
過去問を解いて出題傾向や自分の弱点を把握。 - 継続的な勉強
受験する教科の知識、そして教育学や心理学などの基本的な知識を継続的に学習しておく。 - 面接対策
自己分析や教育観の整理を行い、面接で伝えるべきポイントを明確にしておく。 - 実践力の向上
教育実習やボランティア活動を通じて、実際の教育現場での経験を積んだり子どもと触れ合っておくことも大事。
教員採用試験に合格しなくてもよい方法 「講師」という働き方
教員採用試験に合格しなくても学校で働くことは可能です。それは「講師」です。
学校で働く2つの方法
教員免許を取得した後、学校で働くための道として大きく分けて2つあります。
「正規教諭として働くか、講師として働くか」です。
- 正規教諭
採用試験に合格している。 - 講師
採用試験に合格しておらず、教育委員会の講師名簿に登録している。
学校で働くほとんどの先生は「正規教諭」です。正規教諭となるためには教員採用試験に合格する必要があります。
しかしこの試験は競争率が比較的高く、しっかりと試験対策を行わなければ合格することは難しいというお話をここまでもしてきました。
ところが、教員採用試験に合格しなくても学校で働くことは可能です。これが「講師」です。
講師にもいろいろな人がいます。
- 採用試験に合格できなかったが、また次の年の採用試験を狙っている人。
- あえて講師としての勤務を希望する人。
講師であっても基本的に仕事内容は同じです。給与額も5年で昇給は頭打ちになりますが、それなりに貰えます。
研修や分掌という、先生の仕事を忙しくする要因となるような仕事の中心にはなりにくくなります。
つまり勉強時間も確保しやすくなりますし、帰る時間も速くなりやすいのです。
講師になるために必要なこと
講師になるために必要なことは、最寄りの教育委員会に講師登録をしに行くことです。
登録をすると、講師が必要となった時に声がかかります。
たとえば産休や病欠の先生が出たときなどです。
また教育委員会の考え方として、正規教諭にいつ何が起こるかわからないため、多少余分に講師を確保しておきたいという考えがあるようです。
よって結婚している主婦の方で講師の身分で働く先生を何人も見てきました。
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