問いを立て、調べ、まとめる過程を繰り返す
探究的な学びは、自分で課題を立て、情報を集め、整理・分析し、まとめて表現する。この過程を繰り返していく学び方です。
文部科学省は探究について、実社会や実生活の中から問いを見いだし、自分で課題を立て、情報を集め、整理・分析して、まとめ・表現する学習活動だと説明しています(出典:文部科学省総合的な学習(探究)の時間)。
四つの過程
探究の過程は、次の四つで示されます(出典:文部科学省中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総合的な学習の時間編)。
一つ目は「課題の設定」です。何を明らかにしたいのかを決めます。
二つ目は「情報の収集」です。本、インターネット、聞き取り、観察などで材料を集めます。
三つ目は「整理・分析」です。集めた情報を並べ、比べ、関係を考えます。
四つ目は「まとめ・表現」です。考えたことを形にして、他者に伝えます。
大切なのはこれが一度で終わらない点です。
文部科学省の解説でも、この探究のプロセスを明示し学習活動を発展的に繰り返していくことを重視してきたとされています。
問いが変わっていくのが自然
繰り返す中で、最初に立てた問いが変わっていきます。
たとえば「なぜ川の水が汚れているのか」と調べ始めたとします。調べるうちに、汚れ方が季節によって違うと分かる。すると問いは「なぜ夏に汚れがひどくなるのか」に変わります。
この変化は失敗ではありません。むしろ学びが進んだ証拠です。
調べて発表するだけでは探究にならない
一番多い勘違いがここです。インターネットで検索し、見つけた内容を模造紙にまとめて発表する。これだけでは情報を写しただけになりかねません。
探究にするために欠かせないことが二つあります。
一つは、何を問うのかを自分で考えることです。答えがすぐ見つかる問いではなく、考える余地のある問いを立てます。
もう一つは、どの情報を根拠にするかを選ぶことです。集めた情報のうち、どれが信頼できるのか、なぜその資料を使うのかを判断します。
整理・分析とまとめ・表現に課題がある
四つの過程のうち、どこが弱くなりやすいかも分かっています。
文部科学省の資料では、探究の過程のうち「整理・分析」と「まとめ・表現」に課題が見られたことが指摘されています(出典:文部科学省総合的な学習・探究の時間に関する現状・課題と検討事項)。集めるところまでは進むものの、そこから考えを組み立てる部分が弱くなりやすいということです。
指導する側としては、この二つの過程に時間を確保しておきたいところです。情報を集めて終わりにせず、比べる、分類する、関係を図にするといった活動を意識的に入れます。
採用試験では四つの過程と繰り返しを述べる
「課題の設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現」という四つを挙げます。そのうえで、この過程が一回で終わらず、発展的に繰り返されることを付け加えます。
問いが途中で変わってよいこと、むしろ変わることが学びの深まりを示すこと。ここまで言えると、実際の姿を分かっていることが伝わります。
評価についても触れられると強くなります。発表の出来ばえだけを見ると、まとめ方が上手な子が高く評価されがちです。どんな問いを立てたか、どう変えていったか、なぜその資料を選んだか。こうした過程を記録に残させておくと、評価の材料になります。


