教員採用試験に合格していなくても、学校の教員の職に就くことはできます。それが「講師」です。
小学校の先生のなり方は主に2つ。1つは「教員免許を取得し教員採用試験に合格すること」、もう1つは「教員免許を取得し講師登録をすること」です。
講師の仕事の内容は教員採用試験に合格した教員とほとんど同じです。担任を持つことも普通にあります。
ただしさまざまな面で採用試験に合格した正規教諭の方が優遇されます。
たとえば正規教諭は毎年昇給し続けます。しかし講師は、一定期間の昇給はありますが、ある一定の給与額となると昇給がストップしてしまいます。
講師になるためには「教員免許」+「講師登録」
小学校の講師になるためには「教員免許を持った状態で講師登録」をするだけです。
教員免許を持っている人であれば、だれでも各市町村の教育委員会に講師登録を行うことができます。
講師登録を行うと、市町村内の学校にで産休・育休・病欠など、何らかの理由で休みを取る先生の代理として学校に勤務できるようになります。
その際、クラス担任として勤務することもありますし、級外として勤務することもあります。
登録しないと声はかからない
講師登録を行っていれば、欠員が出た場合には声がかかります。
しかし講師登録を行っていなければ、教育委員会から声がかかることはありません。
そのため講師として学校勤務を希望しているのであれば、早めに最寄りの教育委員会、もしくは勤務を希望する地域の教育委員会に登録しに行くとよいでしょう。
基本的には更新制 希望を出せば更新される
講師は契約期間が決まっています。契約内容にもよるのですが、多くの場合は1年契約となります。その先も続ける場合には、また1年更新という形になります。
更新性であるため契約満了で仕事が無くなってしまうのでは・・・と心配するかもしれませんが、滅多なことがない限りは契約は続きます。
それだけ講師の需要は高いのです。
しかし勤務する学校が変更になることはよくある話です。学校が変更にならないケースもありますが、この辺りは交渉なのか、運なのか・・・。
契約更新されないケース
基本的には契約更新を望む限りは更新される可能性は高いです。
しかし頻繁にトラブルを起こすような講師は契約更新がされないという話を聞いたことがあります。
大抵の場合、多少のトラブル程度であれば目をつむってくれたり、学校の異動で解決されることが多いようです。
しかしあまりにも目に余る行為を行なった場合、いくら学校が人手不足と言えども契約の延長は行わないとのことです。
※このようなケースを実際には見たことがありません。そのためあくまでも聞いた話です。
講師には常勤講師と非常勤講師がある
講師には「常勤講師」と「非常勤講師」があります。
常勤講師はフルタイムで働きます。一方非常勤講師は、担当する授業があるときのみ出勤します。場合によっては数校掛け持つこともあります。
理科の非常勤講師の先生は何度か見かけたことはあります。
常勤講師であれば普通に生活はできる
常勤講師であれば普通に生活する程度のお給料をもらうことができます。
多くの講師を見てきましたが、常勤講師であれば最低限の生活をすることは可能です。ある程度のところまでですが昇給もします。年齢や経験にもよりますが月額25万円前後はもらうことは可能ですし、賞与も支給されます。
そのため講師でも結婚している先生は何人もいました。
給与が頭打ちに
講師の給与は一定の金額で頭打ちになってしまいます。上限が決まっているのです。
そのため勤務し始めてから数年間は昇給します。しかし数年後には上限給与額となってしまうため、その金額からは昇給することはありません。(何年で頭打ちになるのか忘れてしまいました・・・。)
ちなみに正規教諭は昇給し続けます。
さらに講師の場合には、重要な役職に就くことはできません。たとえば教務主任、教頭、校長などです。
長く教員生活を送っていくということであれば、この辺りは非常にネックとなってくることでしょう。そのため、毎年教員採用試験に挑戦し続ける講師は数多くいます。
講師経験が採用試験にプラスに働くことも
講師経験が採用試験にプラスに働くことがあります。
多くの講師は教員採用試験合格に向けて勉強をしています。ただし実際のところ、日々の業務に追われ、なかなか勉強の時間を確保することが難しいのが現状です。
そのため、講師経験を採用試験でプラスに考慮するという働きがあるとのことです。
ところが気を付けなければならないこともあります。もし講師の時に余計なトラブルを起こしてしまっていると、採用試験で逆にマイナスとなってしまうとのことです。
これは学校のトップクラスの先生複数人から聞いた話ですが、ブラックリストと言われるものがあるらしく、そこに登録されている講師は採用試験ではじかれてしまうとのことです。
このようなこともあり、講師経験は教諭になるためには非常に重要な経験となり、採用試験においても有利に働くのですが、一歩間違えるとマイナスとなってしまうこともあるようです。