通信教育で教員免許を取るなら、教育実習は原則として避けて通れません。
ただし必要な実習期間や実習校の探し方、実務経験がある場合など、大学や取得する免許の種類によって違います。
私は4年制大学卒業後に社会人となってから通信大学へ入り直し、小学校の教員免許を取得しました。その中で一番大変だったのが教育実習でした。
ここでは通信教育でも教育実習が必要なのか、期間の考え方、実習先の探し方、社会人が時間を確保する方法、大学ごとに確認したい違いを体験談と制度の両方から紹介します。
まず教員免許を取得するうえで、教育実習はとても重要な必修科目です。
ただし「小学校なら必ず4週間」、「どの通信大学でも同じ」と思い込まない方がよいかもしれません。必要な期間や実施回数、実習校の決め方は、在籍大学、取得する免許状の種類、免許の組み合わせによって違いがあります。
- 教育実習は原則として必要
- 必要日数や実施回数は大学や免許の種類で違う
- 実習先は自己開拓になることが多い
- 日程は受け入れ校が決めることが多い
- 社会人は前年から準備したほうがよい
また大事なポイントとして、教育実習は法令上の基準と大学の教職課程に沿って進める必要があります。必要な時間数や実施の組み方は大学によって異なるため、自分のケースは在籍大学の案内で確認してください。
実習の日程は受け入れ先である学校が決めることが多く、こちらの都合だけで動かせるものではありません。

また通信大学の学生は実習先を自分で探す必要があるケースが多く、この点で苦労する人も少なくありません。
ここからは、当サイト管理人自身の経験も交えながら制度と実務の両面から紹介していきます。
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通信大学での一番の問題点が教育実習といわれる理由
通信教育で教員免許を取るときに大変なのは、勉強そのものよりも実習先の確保と時期調整です。
実習先は自己開拓になることが多く、連絡や相談も自分で進める必要があります。
私自身も、自分で出身小学校に連絡をし実習受け入れのお願いをしました。
ただし都道府県や市町村によっては、教育委員会や校長会を通さなければならない場合もあるようです。そのため学校へ直接連絡する前に、大学の案内と地域ルールの両方を確認したほうが安全です。
- 大学の履修条件を満たしているか
- 教育委員会経由か学校へ直接依頼か
- 前年のいつまでに内諾が必要か
- 勤務校や関係校で実習できるか
- 健康診断や必要書類の有無
早めに行動しないと受け入れてもらえなくなる
教育実習の時期は受け入れ校や自治体との調整で決まるため、かなり早い段階で確認したほうが安全です。
私の経験では、教育実習の相談は早めに始めたほうが進めやすかったです。少なくとも直前ではなく、前年度のうちから準備する意識を持ったほうがよいと思います。
またあくまでも受け入れの時期を決めるのは受け入れ先の学校側です。こちら側の都合は基本的に考慮されません。
学校は年間行事予定を中心に回っている
学校という組織は年間行事予定をもとに動いています。
私が学校で働いていたときは、年間行事予定は前年のうちにほぼ固まっていました。その中で教育実習の受け入れを調整するため、相談が遅くなると受け入れてもらいにくくなる可能性があります。
よって実習予定の1年前には遅くても実習校を探し交渉し、受け入れを承諾してもらうまで話を進める必要があります。
自己開拓が基本 場合によっては一括申請
通信大学では実習校を自分で探すケースが多いですが、申込方法や条件は大学ごとに違います。
私自身は明星大学で教員免許を取得しましたが、教育実習は静岡県の小学校で行いました。このように、同じ大学でも実習を行う地域によって確認するべき手続きや進め方が変わることがあります。
そのため「通信教育なら全部同じ」と考えず、自分が実習を行う地域と在籍大学の案内の両方を確認することが大切です。
実務経験があるなら免除可能なことも
教員としての勤務経験がある場合は、教育実習に関する単位の一部を別の科目単位で振り替えられる場合があります。
ただしこれは、学校種、免許状の種類、経験年数、実務証明の扱いによって変わります。
実務経験があるから必ず教育実習が不要になる・・・という意味ではありません。
実際の扱いは在籍大学と免許申請先で確認し、自分のケースでどこまで認められるのかを早めに確かめておきましょう。
教育実習で教員の世界を垣間見ることができる
教育実習は、その後の教員生活を左右する実習といえるでしょう。
なぜなら良くも悪くもですが、教員の理想と現実に直接触れることができる機会であるためです。
教員への憧れをさらに大きくする人もいれば、理想とは全く異なるもので教員への道を断念する人もいます。
目線が変わり考えが変わることも
私たちの多くが知っているのはあくまでも「自身が学校の生徒だった時の生徒目線」でしかありません。
その目線で先生という仕事に憧れを持っていたとしても、「先生側の目線」になったときに、その憧れが変わってしまうことがあります。
ほんの数週間の間ですが、教育実習中に先生側の目線になるということは非常に貴重な体験となるのです。
この体験により、人によっては教員という職業に対する考え方が変わってくることもあるでしょう。
担当教員によって大きく左右される
教育実習がどのようなものになるのかは、担当に付く指導教員の存在が大きく左右すると思います。
指導教員との相性は非常に大事であり、こればかりは「運」としかいいようがありません。
教育実習中、主に面倒を見てくれるのはこの指導教員であり、指導教員の指示1つで教育実習の在り方が変わってくると思います。
指導教員と合わなかった
ちなみに私は指導教員との相性はよくなかったと思います。私自身にも問題があったと思いますし、心当たりもあります。とはいえ、「こんな人が先生なのか?」という人でした。私の思っている先生像とはかけ離れていたのです。
しかし中には、「こんな先生っていいな」と思える人がいました。そういった人もいるということがわかり、結果として数年後に教壇に立つまでになったのだと思います。
もし指導教員との相性が悪かったとしても、「こんな人もいるんだな。社会勉強だ。」の気持ちで取り組めばよいと思います。
教育実習へのちょっとしたアドバイス
教育実習に参加した人によって感想は異なります。
ポジティブな意見を持つ人もいれば、ネガティブな意見を持つ人もいます。
教育実習を経験したことのある私からいえることは「何があろうとも決してくじけず、楽しんでください。」ということです。
ちなみに私途中から、「単位を取るための修行」という位置づけでした・・・。
教育実習のために時間の確保 実習は連続で行う必要あり
教育実習は国の定める基準と在籍大学の実習計画に沿って、連続で時間を確保する必要があります。
たとえば武蔵野大学は小学校4週間、星槎大学は小学校3週間、明星大学は小学校15日間以上と中学校または高等学校9日間以上の組み合わせを案内しています。
このように必要期間の示し方は大学や取得する免許状の組み合わせで異なります。
ただし共通して意識したいのは、教育実習を自分の都合で細かく分割して進めるものではないという点です。具体的な実施方法は、在籍大学の最新要項で必ず確認してください。
たとえば以下のような感じです。
上記の表は、4週間の連続実習が必要なケースを例にした日程イメージです。
左側は、6月1日~6月28日まで連続4週間で実習となっています。これはOKとなります。
ところが右側は、6月1日~6月14日まで実習。そして2週間空いて6月29日~7月13日に実習となっています。これは「連続」ではないためNGとなります。
学生であれば連続4週間の実習時間を空けることはできることでしょう。しかし働く社会人となると難しくなってしまうことでしょう。
この点については、「何とかするしかない」です。私の場合は時間の自由の利きやすいアルバイトという働き方を選んでいました。
日程は受け入れ学校が決定する
教育実習が行われる日程は、受け入れ先の学校が決定します。
基本的に日程に対し自分の希望を出すことはできません。受入れの学校が「〇月〇日から教育実習」と決定してきたらそれに従うしかありません。
※もしかしたら融通が利くこともあるかもしれませんが、私はこの交渉をしませんでした。また受け入れてもらう身だったので、すべて言われた通りにしました。
社会人にとって実習は最大のネック
働きながら通信大学で教員免許を取得する社会人にとって、「連続での実習」という点が最大のネックとなる可能性があります。

働く社会人はまとまった時間が取りづらいが・・・
社会人にとって連続で休みを取るのはなかなか難しいことでしょう。
- 実習予定の前年から職場に相談する
- 繁忙期と重なりにくい時期を早めに確認する
- 有給休暇だけで足りるか、休職や雇用形態の見直しが必要か考える
- 家計への影響も含めて、実習期間中の生活を先に設計する
社会人の場合は、実習そのものよりも実習期間中の仕事と生活の調整が大きな課題になります。
直前になってから考えるのではなく、実習時期が見えてきた段階で現実的な選択肢を整理しておきましょう。

実習が終わるまでアルバイトとして働いた
私の場合はですが、敢えて正社員とならずにアルバイトの状態で働き続け時間を確保しました。
もちろん収入の面で不安はありましたが、正社員になってしまったら長期的な休暇を取ることは難しいとわかっていたためです。
本当に教員を将来の職業として考えるのであれば、もしかしたら私のような選択もあるかと思います。
どんな方法であれ、何としてでも時間を確保するようにしましょう。
教育実習チェックリスト
教育実習に向けた準備項目を紹介します。
1
実習前年度の準備(1年前からの計画が理想)
- 実習先の確保:希望する学校に連絡し実習受け入れを依頼する。
- 教育委員会への確認:地域によって申請が必要となるケースアリ。早めの確認を。
- 履修計画の確認:必要単位を満たしているかをチェック。未履修があれば計画的に履修。
2
実習半年前の準備
- 健康診断・予防接種の準備:実習先によっては提出が必要。
- 実習指導(事前)の受講:大学の指定するガイダンスを受ける。
- 実習日程の調整:実習先と相談しながら日程を確定。
3
実習直前の準備(1ヶ月前)
- 必要書類の提出:実習計画書・誓約書などを大学または実習先に提出。
- 実習日誌の準備:指定様式があるか確認。
- 実習先への最終確認:開始時間、持ち物、服装などを確認。
4
実習中の注意点
- 指導案の作成:授業を担当する際は必ず提出し添削を受ける。
- 日誌の記録:その日の学びや反省点を毎日記入。
- 指導教員との連携:定期的に面談し指導を仰ぐ。
5
実習後の手続き
- 実習報告書の提出:大学への報告用。期限厳守。
- 実習指導(事後)の受講:振り返りの講義に参加。
- 免許申請の準備:実習評価を含め、申請書類を整えて提出。
上記は一般的な流れです。地域や学校、または大学によって細かな違いがある可能性があります。
計画的な準備は必要
教育実習は本当にさまざまなことをします。それは実習前も、実習後もです。
たとえば実習校探しです。
私は大変ではなかったのですが、教育実習先を見つけることに苦労する人もいます。万が一・・・があるため、早めの行動をおすすめします。
また指導案作りにも苦労しました。そして学校のルールに慣れること、指導教員の人間性を理解すること、実習後のレポートづくりなどです。
参照 教育実習体験談 通信大学生が小学校に教育実習に行った感想
学校現場は独特な世界 謙虚な姿勢が必要
学校現場は独特な世界です。そして謙虚な姿勢が好まれやすいです。
基本的には縦社会です。教育実習中は常に「教えてもらう」といった姿勢で臨む必要があります。
そのため、たとえば授業見学をさせてもらう際には「教えてもらう姿勢」、「謙虚な姿勢」で臨むとよいと思います。
生意気な態度は絶対にNG
私はさまざまな環境で仕事をしてきましたが、その中でもとくに学校社会は独特なものだと感じました。
繰り返しますが、謙虚な態度はとても大切だと思います。
謙虚な態度とは、たとえば「教えてください」、「ありがとうございます」、「よろしくお願いします」といった感じです。
教師間でもこれが当たり前の世界ですので、そこから逸脱した態度で教育実習に臨めば悪い印象を与えてしまいます。
最悪、教育実習の単位を落としてしまう可能性もあります。ちなみに教育実習の単位を落とす人はいるとのことです。(※私はギリギリだといわれました・・・。)
教育実習の単位が取れなければ、当然のことながら教員免許を取ることができません。そのためにも常に謙虚な姿勢、教えてもらう姿勢で臨むことが肝心です。
極論を言ってしまうと、授業が下手だったり子どもへの対応がいまいちだったとしても、謙虚な姿勢で真面目に実習期間を過ごしていたほうが単位は取れると思います。
担当教員の影響は非常に大きい
教育実習生活を大きく左右するのは「担当教員」です。担当教員との相性や指導の仕方によって、実習の受け止め方は大きく変わります。
- 「担当教員が良かったため、教育実習が楽しく、将来本気で先生になろうと思った」
- 「担当教員が悪く、教育実習が悪いものとなり、こんな先生ばかりなら将来先生にはなりたいと思わない」
こんな言葉を聞いたことがあります。
人によっては教育実習で関わった担当教員によって、先生になりたいという夢を大きくする場合もありますし、失ってしまうこともあるのです。
そして担当教員が誰になるのかは教育実習を受ける側としてはわかりませんし、当然指定することもできません。
ただ教育実習で苦労した私からは、「たった一人の担当教員のために自分の夢を諦めないでください」といわせてください。
そのような先生ばかりではありません。
担当教員側からすると受け入れは大変
教育実習の担当教員からすると、教育実習生の面倒を見るということは大変なことです。
日頃の業務にプラスされ教育実習生の指導をしなければならないのです。ただでさえ毎日の業務が大変にも関わらず、ある意味、余計な仕事をしなければならないのです。いつもよりも帰宅時間も遅くなることでしょう。
このようなこともあるため、そもそもはじめから不満を抱えている先生もいます。
逆に担当教員になるということは、教員人生の中で先生側にとっても貴重な経験となります。受け入れをポジティブに考えている人もいます。
貴重な経験であることに間違いはない
教育実習は教員免許を取る際の一大イベントとなることでしょう。
良いことも悪いこともあることでしょう。
ただ1ついえることは、どんな状況にしろ「常に謙虚な姿勢」「教えてもらう姿勢」で臨めば、少なからず無難に過ごすことができるかと思います。
あくまでも教育実習は単位を取るために行くものです。
よい実習となればよいですが、悪いものだったとしても割り切って実習に望めばよいと思います。そう、私のように・・・。
大学ごとに違うポイント
教育実習は制度の大枠は共通でも、実際の運用は大学ごとにかなり違います。
「教育実習は必要か」という点だけを見れば大きな方向性は共通していますが、実際に困るのはその先です。どの学校で実習するのか、いつまでに内諾が必要なのか、勤務校で実習できるのか、科目等履修生でも受講できるのかなどは、大学ごとの差が大きいです。
- 必要な実習期間と実施回数
- 実習校が自己開拓か、大学取りまとめか
- 勤務校や関係校で実習できるか
- 通信制・単位制の学校で実習できるか
- 科目等履修生が受講できるか
- 実習費用、提出書類、申込期限
- 実務経験がある場合の扱い
教育実習で失敗しないためには、一般論を集めるだけでなく、自分の在籍大学の要項を基準にして準備を進めることが大切です。
よくある質問
- 通信教育でも教育実習は必要ですか?
-
原則として必要です。教員免許を取得するうえで重要な必修科目ですが、実習期間や実施方法は大学や取得する免許の種類によって違います。
- 教育実習の期間はどのくらいですか?
-
大学や免許状の種類で違います。小学校4週間、中学校3週間、高校2週間と案内する大学もありますが、小学校15日間以上と中学校または高等学校9日間以上の組み合わせを示す大学もあります。必ず在籍大学の最新要項を確認してください。
- 教育実習は分けて行けますか?
-
原則として自分の都合で分割して進めるものではありません。実施方法は在籍大学の要項と受け入れ校の条件を確認してください。
- 実習先は自分で探しますか?
-
通信大学では自己開拓になるケースが多いです。ただし、大学が教育委員会への取りまとめを行う場合もあるため、在籍大学の案内を確認してください。
- 社会人でも教育実習はできますか?
-
できます。ただし、連続した実習期間の確保が大きな課題になるため、前年から職場や家計も含めて準備したほうが安全です。
- 実務経験がある場合は教育実習が免除されますか?
-
学校種や経験内容によっては、教育実習に関する単位の一部を別の科目単位で振り替えられる場合があります。ただし、自動的に不要になるとは限らないため、大学と免許申請先で確認してください。
- 勤務している学校で教育実習はできますか?
-
大学によって扱いが違います。勤務校や同一敷地内の関係校では認められない大学もあるため、在籍大学の要項を確認してください。
- 科目等履修生でも教育実習はできますか?
-
大学ごとに違います。科目等履修生では教育実習を受講できない大学もあるため、出願前に最新要項を確認してください。
- 教育実習で気を付けることは何ですか?
-
常に教えてもらう姿勢で、謙虚に行動することです。報告、連絡、相談を意識し、実習校のルールに従って真面目に取り組むことが大切です。

