教員免許の専修免許状を取得することのできる通信大学院を紹介しています。
専修免許状は、教員免許の普通免許状の中で最も上位の免許状となります。
専修免許状を取得するためには、教員免許一種を取得してあることが前提となります。そして専修免許状は大学院で取得することになります。
大学にも通信大学があるように、大学院にも通信大学院があり、そこで専修免許を修得することが可能となります。
通信制大学院で取得できる専修免許状
専修免許状を取得できるのは「大学院」であり、その大学院には「通学」と「通信」があります。
今回紹介しているのは「通信制の大学院」となります。
幼稚園
小学校
国語(中学・高校)
英語(中学・高校)
社会
社会(中学)
公民(高校)
書道(高校)
特別支援
福祉(高校)
専修免許を取れる通信制大学院は少ない
専修免許状を取得できる通信大学院は少ないです。
二種や一種といった教員免許状を取得することのできる通信大学は数多くあります。
逆に考えると、少ないながらも専修免許状の取れる通信制の大学院はあるのです。
通信でなければ専修免許の取れる大学院は沢山ある
通信でなければ専修免許状を取得することのできる大学院は数多くあります。
ただし通信でないということは通学が基本となります。学生であれば通学は問題ないと思いますが、働く社会人であれば通学することが難しくなってくることでしょう。
そうなると基本的には通学しなくてもよい、通信大学院の方が都合がよいことでしょう。
大学院で修得する単位数は30単位以上
大学院では前期課程の修了に必要な単位は30単位以上とされています。
そのため1講義を2単位と考えると、15講義を履修し単位を修得すればよいということになります。
つまり一般の大学と比べると、通学するとしても履修の仕方によっては毎日通わなくても余裕をもって単位を取ることができるでしょう。
同じように、通信制の場合も習得する単位数が少ないため、仕事をしながらでも対応しやすくなることでしょう。
専修免許状を取得するメリット
教員免許状の専修免許を取得するメリットを説明するのは、実は難しいところです。
「人によって異なる」と思うためです。
ここからは、数人の現場教員から聞いた話を基にして話を進めます。
待遇面では大きく変わらない
まず専修免許状を持っていてもそれほど待遇面で優遇されることはありません。
多少ではありますが、給与が高くなるとされてはいます。
校長や教頭を目指す場合には、専修免許状を持っていたほうがよいという話は聞きますが、絶対というわけでもありません。
生徒と一緒に学ぶ
学校では生徒にモノを教えるのが教師の仕事です。
人にモノを教え続けていると、中には「自分も何かを学びたい」と考える先生もいます。
そのようなときに、持っている教員免許状の上位を目指すというのは1つの考え方かもしれません。
メリットデメリットという話より、少しでも教員としての高みを目指したいと考えるのであれば、選択肢の1つに入ることでしょう。
通信制大学院で専修免許状を取得する人たち
通信制大学院で教員免許専修免許状を取得する人の多くは、教育現場で働く教員であると考えられます。
理由としては、教育現場に就職しない人、もしくは教育現場で働いている人以外が取得しても、使用する機会がないためです。
ただしたとえば、大学や大学院で仕事をしたいと考えている人であれば取得することでしょう。
大学で仕事をするなら修士=専修免許状は欲しい
一般論ですが、大学で教える側の仕事をするためには大学院卒業(修士)がスタートラインとされています。
そのため、教授や准教授、講師になりたいと考えるのであれば、まずは修士を取得したいところです。
そして教育系の修士を取得するということは、同時に専修免許状を取得するということにもつながるため、将来大学で仕事を就こうと考えているのなら専修免許状を取得してもよいかもしれません。
専修免許状の取得件数 割合は15人に1人
どのくらいの人が専修免許状を取得しているのかを調べてみました。
令和元年の数字によると、以下のようになっています。
二種免許状 | 43618人 |
---|---|
一種免許状 | 138492人 |
専修免許状 | 12352人 |
特別免許状 | 227人 |
臨時免許状 | 9108人 |
あくまでも目安ですが、教員免許を持っている人の中で約15人に1人が専修免許状を取得することになります。
※あくまでも目安です。
ちなみにこの数字は、単純にそれぞれの免許状を持っている人の数となります。免許の取得方法は一般の大学であったり通信大学であったりといろいろです。
教員免許を取得した内の5人に1人が現場に
専修免許状の話から少し離れますが文部科学省のデータでは、令和元年度に教員として採用されたのは、小学校が約20000人、中学校が約10000人、高校が約5500人とのことです。
つまり合計で約35000人が新規採用されていることになります。※公立の場合
教員免許を取得したのが約180000人であるため、約5人に1人が先生として働き始めることになります。
専修免許状取得者は約75人に1人
その中で約15人に1人が専修免許状を取得するため、全免許取得者の75人に1人が専修免許状取得者となります。
そのように考えると、専修免許状を持っている人は少数派となります。
採用試験に合格できなくて大学院進学を選ぶ人も
専修免許状は、進んで取得した人と、結果的に取得した人に分かれると考えています。
実際に周りに専修免許状を持つ先生が数人います。
その人たちに専修免許状を取得した理由を聞いたところ、「大学時代に教員採用試験に合格できなかったから」とのことでした
大学院に進学し採用試験に合格すれば、「現役」で合格したということになるとのことで、大学院進学を選んだということです。そしてそこで専修免許状を取得したということです。
採用試験に合格できなかった人の進路
教員採用試験は、各都道府県や政令指定都市で行われます。
大体6月~7月くらいに一次試験が行われ、9月末~10月くらいに結果が出ます。
合格した人は次の年になったら学校で働くことになります。
しかし合格できなかった人は以下のような進路となります。
- 講師として学校で働く
- 大学院へ進学
- まったく違った業種への就職・アルバイト
- まったく違った業種への就職・アルバイト(採用試験に向けての勉強)
- 採用試験に向けての勉強
大抵このうちのどれかとなります。
この中で「大学院へ進学」を選んだ場合には、そしてもともと教育学部系の学部だった人の場合、専修免許状を取得することになるかと思います。
取りたくて取る・・・というよりも、大学院へ進学している中では自然と取得するものといった印象となります。
専修免許状の価値は人それぞれ
専修免許状は取得したからといって、一種や二種免許を持っている先生方と大きく異なるかというとそうではありません。
そのため、小学校や中学校、高校で教員として働いていくつもりであれば、特別必要な免許ではありません。一種を持っていれば十分だと思います。
ただし、「少しでも教育に対する知識を深めたい」「将来的に大学で教育に携わりたい」「多少でも待遇がよくなりたい」と考えるのであれば、持っていてもよいかもしれません。