通信大学の卒業率 免許や資格を取るなら卒業率は関係ない

通信大学を選ぶ際に「通信大学の卒業率」を気にする人はいると思います。しかし通信大学に行く目的によっては卒業率は全く関係なくなります。

たとえば通信大学に行く目的が、教員免許や資格取得が目的ということであれば、卒業率は関係ありません。卒業をするわけではなく、資格を取るための単位取得が目的であるためです。

ただし通信大学に行く目的が大学卒業資格である「学士」を取るためであるのなら、卒業率は気にしてもよいかもしれません。

ここでは通信大学と卒業率についてお話ししたいと思います。

卒業率を気にするのは卒業を目指す人だけでよい

通信大学に通う人には大きく分けて2通りの人がいます。

通信大学に通う2つのタイプ

  • 免許や資格を取る人
  • 大学卒業資格を取る人

結論を言いますと、「卒業」が必要となってくるのは「大学卒業資格を取る人」の話です。つまり「免許や資格を取ることが目的の人」の場合「卒業」する必要はなく、ほとんどの人が免許や資格を取得した段階で中退します。これが一般的です。

そもそも卒業率は普通の大学に比べると低い

もし通信大学に行く目的が、大学卒業資格を取得するためということであった場合の話ですが、卒業率は一般の大学に比べるとかなり低くなります。

理由は通信大学の勉強が難しいとか、そのようなことが原因ではありません。

通信大学に通う多くの人は、普段は社会人として働いている人が多いです。普段仕事をしながら勉強をしていくため、勉強時間を確保するのが難しいのです。

また通信大学での勉強となると、モチベーションの維持が必須となってきます。自分一人で勉強するというのは実はなかなか大変なことなのです。

昼間は働き、夜は勉強。それを数年間継続させるというのは、なかなか大変なことです。このようなことから、卒業する人が少なくなってしまい、卒業率も低下してしまうのです。

通信大学の目的は免許や資格に必要な単位を取ること

そもそもの話ですが、あなたが通信大学に通う目的は何ででしょうか?

「免許や資格を取るのか」それとも「大学卒業資格を取るのか」です。

教員免許や社会福祉士といった「免許や資格を取る」ことが目的であれば卒業する必要はありません。しかし「大学卒業資格」いわゆる大卒の資格(学士)を取るのであれば卒業する必要があります。

通信大学を選ぶ人は3つのタイプに分類される

もう少し詳しくお話しします。

通信大学に通っている人をもう少し細かく分類すると、以下のような3つのパターンに分けることができます。

通信大学を選ぶ人の3つの特徴

  • 「過去に大学を卒業していて」免許や資格を取りたいと思っている人
  • 「過去に大学を卒業しておらず」免許や資格を取りたいと思っている人
  • 「過去に大学を卒業しておらず」大学卒業資格を取りたいと思っている人

大学というのは「一般教養」「専門教養」に分かれています。1年生~2年生の時に一般教養の単位を取り、3年生~4年生で専門教養の単位を取得するといった形です。

そして「一般教養」「専門教養」の両方を修了することで大学卒業資格が与えられます。

ここで挙げた「専門教養」が免許や資格に関わってきます。まずこれが前提となります。

「過去に大学を卒業していて」免許や資格を取りたいと思っている人

この条件に当てはまる人は通信大学での卒業は必要ありません。なぜならすでに他大学を卒業しており大学卒業資格は持っているためです。

一度大学を卒業しているということは「一般教養」は修了していることになります。つまりその分は「単位の互換」をすることができます。

ただし「欲しいと思っている免許や資格の単位」は持っていません。なので目的の免許や資格を取るためにそれらに即した「専門教養」の単位を取ることで免許や資格を取ることができるのです。

「過去に大学を卒業しておらず」免許や資格を取りたいと思っている人

欲しいと思っている免許や資格を取るために、通信大学でそれら専門の勉強、つまり「専門教養」だけ単位を取得すればよいかというとそうではありません。「一般教養」を取得しなければなりません。

つまり一度も大学に行っていないのであれば、初めから単位を取得しなければならず、それはつまり1年生からの入学ということになります。

ただし過去にどこかしらの大学に在籍しており、数単位でも単位を取得していた場合には「単位の互換」をすることができます。

「過去に大学を卒業しておらず」大学卒業資格を取りたいと思っている人

免許や資格の取得を目的とせず、大学卒業を目的とする人は少なくありません。つまり大学卒業資格である「学士」の取得を目指すわけです。まったく大学に通ったことがない場合には、1年次からの入学になります。

ただし過去にどこかしらの大学に在籍しており、数単位でも単位を取得していた場合には「単位の互換」をすることができます。

※単位の互換について

単位互換とはすでに持っている単位を再取得しなくてもよいというシステムです。

つまり過去にどこかの大学に在籍していたとします。そこで単位を取得していたとします。するとそこで取得した単位は他の大学でも活かすことができます。

免許や資格を取るだけなら卒業する必要はない

以上のように卒業率が関係するのは卒業をする場合のみです。

つまり通信大学に行く目的が、大学卒業の資格を取るという人には卒業率は関係してきますが、免許や資格を取ることが目的の人に対しては卒業率は関係のないことなのです。

なぜこのような話をするのかというと、時折次のような質問をいただくためです。

「〇〇の資格を取りたいと考えています。すでに大学は卒業しており、〇〇の資格を通信大学で取得したいと考えています。▲▲という通信大学は卒業率が低いという話を聞いたのですが大丈夫でしょうか?」

回答としては以下の通りです。

「資格取得を目的とされているとのことですので、卒業率は関係ありません。なぜならほとんどの人が目的の資格を取ったら通信大学を中退するためです。もし気にするとしたら資格取得率でしょうか。」

といった感じです。

通信大学によっては卒業率や資格取得率は変わるのか?

では視点を変えてみます。「通信大学によっては卒業率や資格取得率は変わるのか?」という点です。前提としてですが、全ての通信大学に通ったことがあるわけではないため、あくまでも個人的な意見とさせていただきます。

通信大学によっては卒業率や資格取得率に若干なりとも差はあると思います。ただしどの通信大学の難易度が高いのか、もしくは低いのかというのは判断できないことでしょう。

そもそもの話ですが、通信大学で勉強を始める際には入学試験がありません。そのため通信大学のレベルを測る物差しがないのです。

免許や資格に優劣はない

次に、一般の大学で取得できる免許や資格と、通信大学で取得できる免許や資格に優劣はありません。すべて同じものです。そのためやはりレベルを測る物差しはありません。

通信大学の勉強は自宅ですることになります。つまり自分がやるかやらないかです。

なので、卒業率や資格取得率というのは気になるのも分かるのですが、それよりも気が緩みがちな自宅学習でどれだけ自分のモチベーションを保ち、継続的に学習できるかということだと思います。

そして正直、どの通信大学を選んだとしてもそこまで大きな差はないと思います。

「おススメの通信大学は?」と聞かれたら

「どの通信大学を選んでも大差はない」とは思ってはいるものの、もしこれから通信大学を考えている人にどの通信大学がよいのかと聞かれたら次のように答えるでしょう。

「通信大学として長い歴史があり、生徒数が多い通信大学を選んだほうがよいと思う。」

ということです。

歴史が長いということはそれだけ生徒が集まり続けているということであり、生徒が集まり続けているということはそれなりのメリットがあるということです。

さらに生徒数が多いと情報交換をしやすいという大きなメリットがあります。

基本自分1人で学習を進めるため分からないことが出てきたりします。そんな時、情報交換ができる相手がいる、もしくはそういった掲示板を利用することで分からないことを解決できたりするのです。

このようなメリットがあるため、私がまた通信大学に通うとしたら生徒数の多い通信大学を選ぶと思います。

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