開かれた学校

開かれた学校とは、家庭や地域社会と連携・協力する学校である。学校と家庭・地域との連携・協力は次の3つの側面から成り立つ。

第一に、家庭・地域との間の相互理解に基づき、家庭・地域の意向を反映する学校運営である。2000年7月の中央教育審議会答申では、学校は「保護者や地域の人々に、自らの考えや教育活動の現状について率直に語るとともに、保護者や地域の人々、関係機関の意見を十分に聞くなどの努力を払う必要がある」と述べられている。

学校の情報の公開と開示、および学校評議員制度などを通じた学校運営への保護者や住民の参加の問題である。文部科学省は2002年度に「新しいタイプの学校運営の在り方に関する実践研究校」を指定した。その一つである東京都足立区立五反野小学校では、地域代表、保護者代表各三名、学校代表4名、行政1名から成る「学校理事会」を設置した。学校理事会は、教育課程、校長候補者の選定、学校予算などについて審議し、それに基づいて校長は校務を行うことになっている。

第二に、学校教育に地域の資源や教育力を活用することである。同答申では、「学校がその教育活動を展開するに当たっては、もっと地域の教育力を生かしたり、家庭や地域社会の支援を受けることに積極的であってほしい」と述べられている。地域の人材に非常勤講師やボランティアとして協力してもらうことや、地域の施設や自然などを教育活動で活用することなどが考えられよう。

それは地域の特色を生かした教育課程を編成し、地域の特色を生かした教育活動を展開することでもある。近隣の学校との相互交流や連携もその一つである。第三は、学校の保有する資源や教育力を地域社会に開放し、地域の人々の交流の場、地域コミュニティの拠点として学校が機能することである。同答申は「学校は、地域社会の子供や大人に対する学校施設の開放や学習機会の提供などを積極的に行い、地域社会の拠点としての様々な活動に取り組む必要がある」としている。

また、1996年4月の生涯学習審議会答申でも、学校が地域社会の一員として、積極的に地域社会に貢献していくことの必要性が指摘された。これまで進められてきた学校施設の開放をいっそう拡大したり、学校施設を複合化したり、あるいは教職員が地域に積極的に貢献しようというのである。ただしこの点については、施設の管理や教職員の負担など様々な問題が予想される。

実際に学校は開かれているのか?

家庭や地域社会と連携・協力する学校が開かれた学校とされているが、実際の所はどうなのだろうか?

例えば、「家庭と地域社会」。どれだけの隣人の事を知っているだろうか?住んでいる地域にもよるだろうが、隣人の事を詳しく知っている人は少ないのではないだろうか。まだまだ家庭と地域社会のつながりは薄いと感じる。同じように、「学校と地域社会」のつながりはどうだろうか?例えば、子どもの登下校時に道に立ってくれているボランティアの方がいる。非常に有難いことだ。しかし、この人たちの名前を子ども、その両親、学校の教師は知っているだろうか?一部の人は知っているかもしれないが、ほとんどの人は知らないと思う。なので、こういったボランティアの方々との交流をもっと増やすべきではないだろうか?

例えば授業参観。こういった場面でも地域ボランティアの方が訪れても良いと思うのだ。暗黙の了解で、授業参観は父兄だけのものといった感じになっている。ただこのご時世、警備上難しいのかもしれない。子ども絡みの犯罪が起こっている中、地域の人との交流を安全に行うのには、まだまだアイディアが必要なのかもしれない。

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