「力量」という言葉は、本来、「人の能力の大きさの度合」を指す。その「能力」は、技術だけでなく人格的要素も含むため、「教師の力量」といった場合、その指導技術的側面と人間としての資質的側面の両方を指す。
一般的に教師の力量は、
(1)教授的力量
(2)訓育的力量
(3)経営的力量
の3種類に分けることができる。
(1)教授的力量には、「教科の専門的知識や児童心理、教育方法などの知識や技術」、「学習集団を組織化する能力」、「授業内容を理解させるための表現力」、「子どもを評価する能力」などがある。 (2)訓育的力量には、「教師としての使命感」、「子どもとの間に親密な人間関係を作ること」、「子どもの状況を正しく把握すること」などがある。 (3)経営的力量には、「学校・学年・学級の経営における企画力」、「集団を統率し、指導する力」、「校務を迅速かつ正確に処理する能力」などがある。
これらの教師の力量は、それぞれ一律に伸長するわけではなく、その伸びは多様であり、経験年数によって成長期や停滞期が見られる。したがって、教員研修の計画においては、このような力量形成の「適時性」に注意を払うことが必要とされている。