希望降任制度

一般に「降任」は、勤務実績がよくなかったり、必要な適格性に欠く等の理由に基づく分限処分として、本人の意に反して行われるものである。

しかし希望降任制度は、校長や教頭が、本人の希望で、校長から教頭や教諭へ、または、教頭から教諭へ降任することを認める制度である。こうした制度を実施しているのは、平成15年1月現在、東京、岐阜、兵庫、奈良、京都市、北九州市の6都県・政令指定都市である。

平成12年度から平成14年9月までの2年半の希望降任者は、東京都の場合、校長から教諭へ降任した者が1人、教頭から教諭へ降任した者が18人あった。

兵庫県の場合、教頭から教諭へが3人、奈良県の場合、教頭から教諭が1人、京都市が校長から教諭へが1人、教頭から教諭へが10人、北九州市の場合、校長から教諭へが1人、教頭から教諭へが3人、合計38人にのぼっている。岐阜県では降任はなかった。

希望降任制度の利用者はかなり多い

あくまでも体感の話であり、詳しいデータを持っているわけではありませんが、希望降任をする教師は結構多い印象があります。

私の知っている先生にもいました。これには納得する理由がいくつかあります。

たとえば小学校の場合、一番忙しい役職は教頭だと思います。朝早くに学校に行き、帰りは一番遅くまで残っているということも。校長は実は学校外への出張が多く、その間、学校の代表となっているのが教頭となります。

学校という組織は校長の力が非常に大きいです。言い方は悪いですが、たまに帰ってきた校長にいろいろ言われてしまうこともあります。そのため教頭から一般の教師に戻りたいという思いを持つのもわかる気がします。

また校長や教頭は学校現場にいますが、生徒との関わりがあまりありません。担任を持たないため当然ですが、子どもとの触れ合いをしたいと考えている先生にとって、それはきつい現実です。

学校の先生の中には「クラス担任こそ学校で働く意義がある」と思っている人も少なくないでしょう。そのようなこともあり、校長や教頭から降任することで給与は多少下がってしまいますが、それよりもクラス担任として活動する道を選ぶ人も少なくありません。

そもそもなのですが、このようなことはどの先生も分かっています。そのためはじめから校長や教頭を目指さない、話が来ても断る人も結構いるのです。

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