リーダーシップとは、ある社会的関係を取り結んでいる者どうしの間で、共通の目的を達成するために、ある成員が他の成員の意欲や行動に対して、コミュニケーション過程を通じて影響を与えようとする行為やはたらきかけを指している。それは、法制度上明確にされた権限の上下関係に従って行使される強制行為を意味するのではない。
組織を権限・責任・職位というフォーマルな構造でのみ把握する考え方のもとでは、こうした概念は意味を持たない。組織を成り立たせている人間を「社会的存在」とみて、そのインフォーマルな関係のあり方に注目することによって初めて、組織内部におけるリーダーシップの重要性が明らかになる。
学校裁量権限が拡大されて校長のリーダーシップがますます重要だといわれるとき、それはけっして校内における一元的で一方的な指示・命令の強化を意味するものではないことは明らかであろう。