家庭科の中学校・高校の教員免許を通信教育で取得できる大学は、日本女子大学だけです。
日本女子大学の通信教育課程では、食科学部食科学科で「中学校教諭一種免許状(家庭)」と「高等学校教諭一種免許状(家庭)」を目指せます。
通信大学で教員免許を取得する場合、基本的には自宅学習となります。ただし大学まで通学して授業を受けるスクーリングも一部参加する必要があります。
たとえば4年制大学を卒業していて免許だけがほしい人は、必要な単位を修得して免許状の授与を受ければよいです。また最終学歴が高校卒業である場合には、最短4年で教員免許を取得するための単位を修得することができます。
そこにたどり着くまでには、レポートや試験だけでなく、大学に通うスクーリング、さらには教育実習が必要となります。
家庭科の教員免許が取れる通信大学は日本女子大学だけ
通信教育課程で中学校・高等学校の「家庭」の一種免許状を目指せる大学は、日本女子大学だけです。
現在は食科学部食科学科に、中学校教諭一種免許状(家庭)と高等学校教諭一種免許状(家庭)の課程が置かれています。
※通学制の大学・短大まで含めれば、家庭科の免許を取れる学校はほかにもあります。
日本女子大学
| 教員免許 | 中学校・高等学校(家庭) |
|---|---|
| 資格 | 学校図書館司書教諭、フードスペシャリスト(受験資格) |
| 学費 | 初年度は入学期・入学区分により異なる。次年度以降の授業料は年額20万円+スクーリング履修料・実験実習費 |
日本女子大学で取得できる家庭科の教員免許
日本女子大学の通信教育課程で家庭科の免許を目指せるのは食科学部食科学科です。中学校と高等学校、どちらの一種免許状も取得できます。
食物学科や生活芸術学科として紹介されている情報を見かけることがありますが、これらは旧学科です。これから入学して家庭科の教員を目指す人は、食科学科となります。
取得できる免許状
- 中学校教諭一種免許状(家庭)
- 高等学校教諭一種免許状(家庭)
公立中学校・高校の家庭科教員を目指すなら、中学校と高校の両方の免許状を取っておくとよいでしょう。どちらの採用試験にも応募できるためです。なお中学校の免許状を取るには、教育実習に加えて介護等体験が必要になります。
食物学科・生活芸術学科は新規募集を停止
家政学部食物学科は2025年4月から、家政学部生活芸術学科は2024年4月から、新規募集を停止しています。
※現在は「食科学部食科学科」。
インターネット上の古い記事や過去の募集要項には、いまも食物学科・生活芸術学科の記載が残っています。出願先を間違えないよう気をつけましょう。
家庭科の教員免許を取るまでの期間
家庭科の教員免許を取るまでの期間は、入学時の学歴、以前の大学などで修得した単位、希望する科目を履修できる時期によって変わります。
つまり一般的には以下の表のようになります。
| 最終学歴 | 入学区分・前提 | 家庭科の教員免許を取るまで |
|---|---|---|
| 4年制大学卒 | 食科学科の正科生として3年次に学士入学 | 必要単位と教育実習を修得し、個人申請で免許状の授与を受けます。免許取得だけが目的なら、日本女子大学を卒業する必要はありません。 |
| 短大卒 | 学士の学位がないため、本学の卒業を目指す | 中学校・高校の一種免許状には学士の学位が必要です。入学区分や認定単位は、修得済み単位によって異なります。 |
| 高校卒・専門学校卒 | 1年次入学 | 大学卒業と教職課程の修了を目指します。最短修業年限は4年です。 |
| 大学中退 | 修得単位・在籍期間により入学区分が異なる | 編入学や単位認定の可否を確認し、不足する単位を修得して卒業と免許取得を目指します。 |
4年制大学を卒業している人であれば、最短2年で免許取得可能です。また最終学歴が高校卒業であれば、最短4年必要となります。
そしてこの年限はあくまでも「最短」となります。レポートや試験にスムーズに合格したらの話です。
たとえば最終学歴が高校卒業の人が、大学卒業資格と家庭科教員免許を卒業と同時に取得することも可能です。しかし大学卒業だけではなく免許取得の勉強もすることになるためかなり大変となります。
ちなみに私は4年制大学卒業後に教員免許を通信大学で取得しました。教員免許の取得だけでしたが、最短2年のところを2年半かかってしまいました。
4年制大学を卒業している人は3年次学士入学
初めて中学校・高等学校の家庭科一種免許状を取る4年制大学卒業者は、食科学科の正科生として3年次に学士入学します。最低修業年限は2年ですが、卒業に必要な単位と教職課程の単位を同時に進めることになるため、2年で免許取得まで終わるとは限りません。
すでに別の教員免許を持っている人や、教職課程の単位を修得済みの人は、不足する単位が少なくなることがあります。出身大学から学力に関する証明書を取り寄せ、入学前に不足分を把握しておくと、学習計画を立てやすくなります。
高校卒業・短大卒・専門学校卒・大学中退の人
高校卒業者と専門学校卒業者は1年次入学です。そのため卒業まで最短でも4年かかります。
短期大学卒業者と大学中退者は、出願資格、在籍期間、修得済みの単位によって扱いが変わります。自分がどの入学区分になるかを、募集要項で確認してください。
最短年数だけで決めるのはおすすめしません。仕事を休める時期、スクーリング会場までの移動、教育実習の受け入れ先まで含めて考えましょう。家庭科の免許は、単位を早く取れば終わるというものではないのです。
免許のみを目指す場合でも、家庭科には通学が必要
4年制大学を卒業していて家庭科の免許だけを目指す人も、食科学科の正科生として3年次に学士入学します。
そして実習を含む必要単位を修得し、教育委員会へ申請すれば免許状が授与されます。免許の取得だけが目的なら、日本女子大学を卒業する必要はありません。
食科学科は、大学卒業資格を得ることだけが目的であれば、通学せずに学べます。しかし家庭科の教員免許を取るなら、大学の教室で受けるスクーリング科目と教育実習が欠かせません。スクーリングには、講義・演習のほかに実験・実習・実技の科目があります。
つまり通信大学であっても、自宅での勉強だけで家庭科の教員免許が取れるわけではないのです。
仕事を続けながら学ぶ人は、夏期スクーリングと教育実習の日程を確保できるかどうかを、出願前に確認しておきましょう。
テキスト学習・レポート・科目修了試験
食科学科の卒業に必要な単位は124単位です。
その多くはテキスト学習で修得します。教材を読み、レポートを提出し、合格したあとに科目修了試験を受けます。食科学科の科目修了試験は、パソコンを使うオンライン試験として案内されています。試験に合格して、はじめて単位が認められます。
家庭科の教員免許を取る場合も、レポートと科目修了試験が学習の中心です。学習時間を決めないまま始めると、レポートの提出も試験の準備も後回しになりがちです。学期ごとの履修科目数は、無理のない範囲で決めて進めましょう。
スクーリング
テキストだけでは学べない実習や実技は、スクーリングで履修します。開講日は土日だけでなく、夏休み中の平日にもあります。大学の教室で受ける科目とオンラインで受ける科目があるため、仕事や家庭の予定と重なる日程を先に確認しておくことが大切です。
家庭科の教員免許を目指す人は、教室で受講する科目が多くなります。自宅でレポートを書けるかどうかだけで判断せず、東京まで通えるか、平日に休みを取れるかを入学前に考えておきましょう。
教育実習
中学校・高校の家庭科教員免許を取るには、教育実習への参加が必要です。
中学校教諭一種免許状(家庭)を取る場合は、介護等体験も加わります。実習先の確保、参加する時期、仕事を休めるかどうかを入学後に急いで決めようとすると、負担が大きくなります。働きながら免許を目指すなら、この点も先に確認しておいたほうがよいでしょう。
教育実習では、学校現場の仕事を肌で感じながら学ぶことになります。家庭科の授業づくりだけでなく、生徒との接し方、授業準備、学校の一日の流れも経験します。通信大学の教育実習と介護等体験を入学前に読んでおくと、予定を立てやすくなります。
家庭科の教員免許を取った後に先生になるまで
家庭科の教員免許を取れば、すぐに正規の教員になれるわけではありません。
公立学校の正規教員を目指すなら、教員採用試験に合格する必要があります。教員採用試験は、各都道府県と政令指定都市が独自に実施しています。
講師として学校で働く道もありますが、こちらも自治体や学校法人ごとに登録・採用の手続きがあります。
公立学校の正規教員を目指す場合
各都道府県・政令指定都市の教育委員会が実施する教員採用試験を受験します。
募集時期、試験内容、家庭科の採用人数は自治体によって異なります。免許取得の勉強と採用試験の勉強は別ものです。免許取得の見通しが立ってきたら、希望する自治体の採用試験情報も集めはじめましょう。
講師として働く場合
常勤講師や非常勤講師として働くには、勤務を希望する市町村の教育委員会や学校法人へ登録・応募します。まず教員として学校現場を経験したい人にとって、講師は大切な選択肢になります。
日本女子大学へ入学する前に決めておきたいこと
出願する前に、入学後も学び続けられるかどうかを一度確認しておくとよいでしょう。
つまり「覚悟」です。
私も通信大学で教員免許を取りましたが、通学制の大学で学ぶより正直大変でした。履修計画も学習の管理も、すべて自分で進めなければならないためです。
とくに社会人は働きながらの勉強となります。スクーリングや教育実習、卒業までの年数、費用など、自分の生活に当てはめて考えてみてください。
- 自分は何年次に入学できるか
- 東京で行われるスクーリングに参加できるか
- 教育実習のためにまとまった日数を確保できるか
- 卒業までに必要な費用を用意できるか
日本女子大学の入学方法、学費、スクーリング、教育実習の条件は、募集要項と大学の資料で確認できます。家庭科の先生になりたい気持ちだけで出願せず、いまの生活と両立できるかどうかまで考えたうえで決めるとよいでしょう。
家庭科の教員免許を通信大学で取る費用
家庭科の教員免許を取る際に必要となる費用は、食科学科の授業料だけではありません。そこにスクーリング履修料、実験実習費、教材費が必要となってきます。さらに遠方から通う場合は、交通費と宿泊費も必要です。
といっても、一般的な大学の費用に比べるとかなり安く抑えることができます。
卒業と免許取得までに何年かかるかによっても、総額は変わります。
食科学科の授業料とスクーリング履修料
日本女子大学の公式FAQによると、食科学科の次年度以降の授業料は年額20万円です。正科生はこれに、年度ごとに登録したスクーリング科目の履修料が加わります。
講義・演習科目は1科目13,500円、実験・実習・実技科目は1科目20,000円です。科目によっては、別途実験実習費も必要になります。
出願時に納める金額は入学期と入学区分によって異なります。出願する前に募集要項で自分の入学区分の金額を確認しましょう。
遠方に住む人は交通費・宿泊費も必要となる
家庭科の教員免許を取るには、対面のスクーリングと教育実習に参加する必要があります。
東京以外に住む人は、受講料だけでなく往復の交通費、宿泊費、食事代も必要となります。そのため事前に免許取得までに必要となる費用をある程度でも計算しておいた方がよいかと思います。
よくある質問
- 家庭科の教員免許を取れる通信大学はありますか?
-
あります。家庭科の中学校・高校の教員免許を通信教育で取得できるのは、日本女子大学の通信教育課程だけです。
- 家庭科の教員免許は最短何年で取れますか?
-
必要な期間は、入学時の学歴、認定された単位、希望する教職科目を履修できる時期によって変わります。4年制大学卒業者が3年次に学士入学する場合の修業年限は2年ですが、2年間で免許取得まで終わるとは限りません。
- 通信大学なら家庭科の教員免許を通学せずに取れますか?
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食科学科の卒業だけであれば通学せずに目指せますが、家庭科の教員免許を取るには通学が必要です。スクーリングと教育実習の日程に参加できるかどうかを、出願前に確認しておきましょう。
- 家庭科の教員免許を取れば先生になれますか?
-
公立学校の正規教員を目指す場合は、免許を取得したあとに教員採用試験へ合格する必要があります。講師として働く場合も、自治体や学校ごとの登録・採用手続きがあります。
