免許法認定講習・公開講座・通信教育は、主として、すでに一定の教員免許状を持つ現職教員等が、大学の通常の教職課程によらず、上位免許状や別の校種・教科等の免許状を取得するために必要な単位を修得する制度です。
取得ルートによっては一定の在職年数が必要ですが、中学校・高等学校の他教科免許状を取得する別表第4のように、在職年数を要件としない方法もあります。
一般的な教職課程へ最初から入り直す方法とは異なり、都道府県教育委員会や大学などが開設する認定講習・公開講座・通信教育で不足単位を修得します。
ただし、講習を受ければ誰でも免許状を取得できるわけではありません。持っている免許状、勤務した学校、在職年数、取得したい免許状によって適用される条件が変わります。
免許法認定講習とは
免許法認定講習は、主として、すでに一定の教員免許状を持つ現職教員等が、上位免許状や別の校種・教科等の免許状を取得するために必要な単位を修得する制度です。都道府県教育委員会や大学などが講習を開設し、受講者は必要な科目を履修します。
大学の通常の教職課程へ入り直す方法とは異なりますが、基礎となる免許状、在職年数、必要単位などの条件は取得ルートごとに異なります。取得方法によっては、在職年数が必要ない場合もあります。
文部科学省は、免許法認定講習・公開講座・通信教育について、一定の教員免許状を持つ現職教員が、上位免許状や別の種類の免許状を取得するために必要な単位を修得する制度と説明しています。
教員免許状を新しく取得する場合は、原則として大学等の教職課程で所定の単位を修得します。
一方、すでに免許状を持ち、教員としての在職経験がある人には、その免許状と経験を基礎として、より少ない単位で別の免許状を目指せる場合があります。
制度の根拠や必要条件は、教育職員免許法の別表第3、別表第4、別表第7、別表第8など、取得したい免許状によって変わります。
認定講習・公開講座・通信教育の違い
必要単位を修得する方法には、免許法認定講習、免許法認定公開講座、免許法認定通信教育があります。認定講習や認定公開講座には、会場で受講する対面形式だけでなく、同時双方向型や一定の条件を満たすオンデマンド型など、遠隔で実施されるものもあります。実施方法、受講対象者、取得できる単位は講座ごとに異なるため、名称だけで判断せず、その講座が自分の申請に必要な科目や単位に対応しているかを確認する必要があります。
免許法認定講習
免許法認定講習は、都道府県教育委員会や大学などが開設し、文部科学大臣の認定を受けて実施する講習です。会場で受講する対面形式のほか、一定の条件を満たす場合は、同時双方向型やオンデマンド型などの遠隔形式で実施されることもあります。
夏季休業中などに複数日の日程で開講される場合がありますが、実施期間や受講方法は講習ごとに異なります。
例えば、静岡県教育委員会の2026年度講習は、静岡大学を会場として、2026年8月3日から8月27日までのうち計10日間の日程で実施されます。
ただし、受講できる課程、対象者、実施方法は実施要項で個別に定められます。
免許法認定公開講座
免許法認定公開講座は、大学などが開設する講座のうち、教員免許状の取得に必要な単位として認定されたものです。
通常の一般向け公開講座を受ければ教員免許の単位になるわけではありません。
文部科学省の認定を受け、取得したい免許状の根拠規定に対応している講座を選ぶ必要があります。
免許法認定通信教育
免許法認定通信教育は、通信教育によって必要単位を修得する方法です。
仕事を続けながら学びやすく、講座によっては通学回数を抑えられます。
ただし通信大学の正科生や一般的な科目等履修生と、免許法認定通信教育は同じ意味ではありません。
申請に使用する単位として認められるかを、受講前に教育委員会へ確認する必要があります。
免許法認定講習を利用できる人
免許法認定講習等は、教員免許を持っていない一般の人が、大学の通常の教職課程に代えて、ゼロから免許状を取得するための一般的な制度ではありません。
主な対象者は、すでに一定の教員免許状を持つ現職教員等です。ただし、中学校・高等学校の他教科免許状を取得する別表第4では在職年数が要件とされていません。また、実習助手や学校栄養職員などを対象とした特例もあります。
主な条件は次のとおりですが、取得ルートによって必要な条件が異なります。
- 取得ルートに応じた基礎免許状や資格を持っている
- 実務経験が必要な取得ルートでは、所定の在職年数を満たしている
- 必要な科目と単位を修得している
- 教育職員検定や免許状授与申請の条件を満たしている
例えば、特別支援学校教諭二種免許状を教育職員免許法別表第7によって目指す場合、一般に幼稚園、小学校、中学校、高等学校の普通免許状などを基礎免許状として使用し、教員としての在職年数と所定単位が必要になります。
東京都教育委員会は、別表第7による申請について、免許状に対応する校種・教科の教員として3年以上良好な成績で勤務することが必要と案内しています。
ただし、すべての取得方法で在職年数が3年になるわけではありません。
特別支援学校教諭免許状への新しい教育領域の追加など、一部の手続きでは異なる在職年数が設定されています。
免許法認定講習で目指せる免許状
認定講習等を利用すると、二種免許状から一種免許状への上進、別の学校種の免許状取得、中学校・高等学校の他教科免許状、特別支援学校教諭免許状などを目指せる場合があります。
ただし、どの免許状でも自由に取得できる制度ではありません。現在持っている免許状や資格、取得したい免許状、必要単位、在職年数の要否などによって、利用できる取得ルートが決まります。
代表的な利用例は次のとおりです。
- 二種免許状から一種免許状を目指す
- 幼稚園教諭免許状を持つ人が小学校教諭免許状を目指す
- 小学校教諭免許状を持つ人が中学校教諭免許状を目指す
- 中学校または高等学校で別教科の免許状を目指す
- 特別支援学校教諭免許状を目指す
- 特別支援学校教諭免許状に新しい教育領域を追加する
例えば、中学校または高等学校の他教科免許状を教育職員免許法別表第4で申請する場合、基礎となる免許状と必要単位を満たす必要があります。
一方、隣接する学校種の免許状を目指す別表第8では、在職年数の算定方法や必要単位の扱いが都道府県によって異なる場合があります。
自分の判断だけで受講科目を決めないことが重要です。
必要な在職年数は取得ルートによって異なる
免許法認定講習を利用する際に、特に間違いやすいのが在職年数です。「教員経験が3年あれば何でも取得できる」という制度ではありません。基礎免許状を取得した時期、勤務した校種、担当教科、常勤・非常勤などの勤務形態、取得したい免許状によって、経験年数として認められる範囲が変わります。
例えば、東京都教育委員会の別表第7による申請案内では、対応する校種・教科の教員として3年以上、良好な成績で勤務することが必要とされています。
群馬県教育委員会も、特別支援学校教諭二種免許状の取得について、基礎となる免許状を取得した後に3年以上の勤務期間が必要と案内しています。
一方、すでに特別支援学校教諭二種免許状を持つ人が新しい教育領域を追加する場合は、1年以上の在職年数が必要とされています。
臨時的任用教員や非常勤講師としての勤務を在職年数へ含められるかどうかも、個別確認が必要です。
受講を申し込む前に、免許状を申請する予定の都道府県教育委員会へ相談してください。
2026年度の認定講習を探す方法
2026年度に開設される免許法認定講習・公開講座・通信教育は、文部科学省の一覧から確認できます。ただし、掲載されている講習すべてに現在申し込めるわけではありません。受付期間、対象者、定員、勤務先を通した申込みの要否は、各教育委員会や大学の実施要項で個別に確認する必要があります。
文部科学省は、2026年度の免許法認定講習・公開講座・通信教育の開設状況を公表しています。掲載内容は随時更新される可能性があるため、受講を検討する際は最新の一覧を確認してください。
確認するときは、次の項目を見ます。
- 実施する都道府県、大学、機関
- 講習・通信教育の名称
- 対象となる免許状
- 開設科目と単位数
- 実施期間
- 申込期間
- 受講対象者
- 受講料
- 申込方法
都道府県教育委員会が実施する講習には、所属する学校や教育委員会を通して申し込むものもあります。
個人が直接申し込めるとは限らないため、勤務先への確認も必要です。
単位を取っても教員免許状が自動的に届くわけではない
免許法認定講習等で必要単位を修得しただけでは、教員免許状は自動的に授与されません。取得ルートに応じた基礎免許状、必要単位、必要な場合は在職年数などの条件を満たした後、都道府県教育委員会へ免許状の授与申請または教育職員検定による申請を行います。
大まかな流れは次のとおりです。
- 取得したい免許状を決める
- 教育委員会へ取得ルートを相談する
- 必要な基礎免許状や資格、単位、在職年数の要否を確認する
- 対応する認定講習・公開講座・通信教育を受講する
- 単位修得証明書などを受け取る
- 単位修得証明書や、必要な場合は勤務証明などの書類をそろえる
- 都道府県教育委員会へ申請する
- 審査後に免許状の授与を受ける
教育委員会によって必要書類や申請受付期間が異なります。
単位を修得してから申請できないことが分かる事態を避けるため、最初に教育委員会へ確認することが重要です。
受講前に教育委員会へ確認すること
認定講習等では、単位を取った後では修正できない問題があります。受講予定の科目が申請に使えない、勤務経験が必要年数に含まれない、申請先が想定と違うといった事態を防ぐため、申込み前に教育委員会へ確認してください。大学や講習主催者への問い合わせだけでは、免許状の申請可否を確定できない場合があります。
確認する内容は次のとおりです。
- 自分が利用できる教育職員免許法上の取得ルート
- 現在持っている免許状を基礎免許状にできるか
- 勤務経験を在職年数に算入できるか
- 必要な科目と単位数
- 受講予定の講習や通信教育の単位を使用できるか
- 申請先となる都道府県教育委員会
- 教育職員検定の申請時期と必要書類
必要単位の内訳や在職年数の算定方法は、都道府県によって扱いが異なる場合があります。
勤務先の所在地と居住地のどちらへ申請するのかも含めて確認してください。
免許法認定講習と通信大学の教職課程は対象者が異なる
免許法認定講習等と通信大学の通常の教職課程は、どちらも教員免許状に必要な単位を修得できますが、主な対象者と取得条件が異なります。
教員免許状を持っていない人が初めて普通免許状を目指す場合は、原則として、通信大学を含む大学等の教職課程で必要な学位や単位を修得する方法が基本です。
一方、免許法認定講習等は、主として、すでに持っている免許状や勤務経験を活用して、上位免許状や別の校種・教科等の免許状を目指す人向けです。ただし、取得ルートによっては実務経験を必要としない場合や、教員免許状以外の資格・職歴を基礎とする場合もあります。
教員免許を持っていない人は、原則として次の方法を検討します。
- 教職課程のある通信大学へ正科生として入学する
- 学歴や既修得単位、大学の受入条件によっては、科目等履修生制度を利用できる場合がある
- 教育実習などを含む必要単位を修得する
- 都道府県教育委員会へ免許状を申請する
一方、すでに免許状と勤務経験を持つ人は、免許法認定講習等を利用することで、取得に必要な単位を減らせる場合があります。
どちらの方法が利用できるか分からない場合は、最初に教育委員会へ自分の免許状、学歴、勤務歴を伝えて相談してください。
免許法認定講習を利用する際のまとめ
免許法認定講習・公開講座・通信教育は、主として現職教員等が、持っている教員免許状や勤務経験を活用し、上位免許状や別の校種・教科等の免許状を目指すための制度です。
通常の教職課程より少ない単位で取得できる場合がありますが、必要な免許状や資格、単位、在職年数などの条件は取得ルートによって異なります。実務経験を必要としない取得方法や、教員免許状以外の資格・職歴を基礎とする特例もあるため、教育委員会へ事前確認してから受講科目を決めることが重要です。
確認する順番は次のとおりです。
- 取得したい免許状を決める
- 現在の免許状、資格、学歴、勤務経験を整理する
- 教育委員会へ取得条件を確認する
- 文部科学省の開設状況一覧から講習を探す
- 実施要項を確認して申し込む
- 単位修得後に教育委員会へ申請する
講習名に「免許法認定」と書かれていても、自分が目指す免許状の単位として利用できるとは限りません。
受講料や学習期間だけで選ばず、申請に使用できることを確認してから申し込んでください。


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