「教員免許を持っている=教員としての資質がある」と勘違いされてしまうことがあります。
そんなことはありません。教員免許の有無と教員の資質の有無は全く別物です。
教員免許はあくまでも免許であり、これは教員の資質とは関係のない話です。これは断言できます。
教員免許を取るための勉強は現場では程役に立たない
たとえば私の場合、通信大学で教員免許を取りました。そして小学校のクラス担任として働いていました。
その上での話ですが、教員免許を取るために行った勉強内容が、現場ではほとんど意味を成しませんでした。では困った状態になったのか?というとそんなことはありません。
また複数の先生が学級崩壊を起こしているのを目の当たりにしました。保護者から苦情を受けている姿も何度も見ました。当然、その先生たちは全員、教員免許を持っています。
そのため教員免許を持つことと、教員の資質の有無は関係ないと考えています。
単位を取るための勉強 忘れてしまう
教員免許を取るためには、大学で教員免許を取るために必要な単位を取る必要があります。
単位を取るのは、一般的な大学でも通信大学でも問題はありません。
単位を取るためのに勉強していたため、内容は継続的に覚えてはいません。忘れてしまいます。
そのため、どんなに現場で役に立つ情報を学んだとしても、教員免許を獲得する頃にはほとんど覚えていないのです。
そして私の記憶が確かならば、教育現場で「あ、これ勉強した内容だ」ということは1度もありませんでした。
ではクラス運営が滅茶苦茶になってしまうのでは?と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
教育現場では何よりも一般常識が重要
ある程度の知識と一般常識、そして正しいコミュニケーション能力が教員に必要な資質の根幹となる部分だと思います。
正直、学力は後付けである程度何とでもなります。
勉強ばかりしている人よりも、いろいろな経験をしている人の方がクラスをまとめやすいと思います。クラスをまとめることができれば授業を成り立ち、成績を上げることも比較的容易です。
どんなに知識があったとしても、クラスをまとめることができなければ生徒は話を聞きません。よって成績を上げることも、ましてやクラスをまとめることもできないのです。
教員免許取得までに必要ないハードルが多すぎる
教員免許を取るためには、大学で必要な単位を修得する必要があります。
先ほど、勉強をした内容をほとんど覚えていないという話をしましたが、それでもある程度の勉強は必要だと思います。
これは勉強の内容がどうこうということではなく、教員には何かを目標を達成するためにハードルを乗り越える資質が必要だと思うためです。それが単位修得であり勉強でもあると思います。
一方、必要ないのでは?と思うものもあります。
介護等体験は必修でなくてもよい
教員免許を取るために必要な単位として「介護等体験」という実習があります。社会福祉施設や養護施設で年配の方や障がい者と触れ合う体験です。
体験自体は無駄ではないし気づきもあると思います。
しかしこれを行うためには、学生側からすると時間を確保することとなります。とくに通信大学で学んでいる学生は非常に大変です。約1年前に体験の申し込みを完了させないと、もう1年免許取得までの期間が延びてしまうためです。(現在は違うかもしれません)
また受け入れ側としても、介護や養護の経験のない素人を受け入れるわけです。手間がかかりますし正直あまり良い顔はされません。

修得しなければならない単位数が多い
教員免許を取るために必要な単位数が多いように感じます。
どの校種・教科の教員免許状を取得したいかにもよりますが、一種免許状(大学卒業程度)を取得したいのであれば、教科及び教職に関する科目と教育職員免許法施行規則第66条の6に定める科目を合わせて、幼は59単位以上、小・中・高は67単位以上、養護教諭は64単位以上、栄養教諭は30単位以上の修得が必要となるのが一般的です。
- 幼稚園教諭・・・59単位以上
- 小・中・高教諭・・・67単位以上
- 養護・・・64単位以上
先ほどもお話ししたように、勉強した内容はあまり現場では役に立たないと思います。
それならば、少し単位数を減らすことで、多くの人が教員免許を取りやすい環境になるかと思います。これにより教員の人手不足を緩和に期待ができると思います。
簡単に免許が取れてしまうのも考えもの
簡単に教員免許が取れてしまうのも考えものです。
ここまで話してきた内容と矛盾してしまうかもしれませんが、教員免許が取りやすくなるということは適切ではない人材が教員になる可能性も高まるということです。
人材不足を解決することはできても、他の問題も発生してしまう可能性も高まるでしょう。
選考方法が適切ではない
教育人材が不足しているといわれていますが、教員採用試験の倍率はそれなりにあります。
つまり「良い人材を確保したい」という思いが都道府県、そして国としてはあるということでしょう。
しかし合格した人材が社会的な問題を起こしニュースになっているケースもあります。
難しい所ではあります。
労働環境の改善が一番のポイント
先生になりたいと思っている人はたくさんいると思います。
しかし昨今騒がれる労働環境が敬遠の原因になっていると思います。
結果、就職活動をするときに天秤をかけられ、教員以外の就職をすることにつながっていることでしょう。
そのため、他の就職先よりも魅力的な面を押し出す、そして改善していくしかないと思います。
一度世間を見てきた方がよほどよい
教員の資質を高めるためには、学校の先生になる前に一般的な会社で働く機会を得たほうがよいと思います。それも年単位で。
それは社会を知る良い経験にもなります。
意外と現実社会を知らない人が多い
学校の先生の多くは、小学校、中学校、高校、大学、そして就職(学校)とずっと学校という環境の中にいます。
そのため現実社会を知らない人は意外と多いです。
たとえば先生の労働環境は悪いとよく言われます。そういわれているため先生たちも自分の置かれている状況は良くないものだと思っていたりします。
ところが公務員でありかなり恵まれています。全然一般企業の方がきつい環境だったりします。
教えている生徒の多くは将来学校の先生にはなりません。また教えている生徒の保護者もほとんどは先生ではありません。だからこそ、先生は学校以外の職場でしばらく働いた方がよいのです。
教員免許を持つことは大切ですが、それよりもその後の研修(学校以外で働く)を重視すると、周りをよく見れるよい先生になるのだと思うのです。
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