多様な他者と協働しながら学ぶ
協働的な学びは、子ども同士、あるいは地域の方々をはじめとする多様な他者と協働しながら学ぶことを指します。
令和3年の中央教育審議会答申では、探究的な学習や体験活動などを通じて多様な他者と協働し、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、さまざまな社会的な変化を乗り越え、持続可能な社会の創り手となることができるよう、必要な資質・能力を育成する協働的な学びを充実することが重要だとされています(出典:文部科学省育成を目指す資質・能力と個別最適な学び・協働的な学び)。
一斉授業の中でも実現できる
協働的な学びは、特別な形式を必要とするものではありません。
文部科学省の資料では、一斉授業においても、集団の中での個人に着目した指導、子ども同士の学び合い、多様な他者とともに問題の発見や解決に挑む授業展開などの視点から授業改善を図ることが期待されるとしています(出典:文部科学省教育課程の実施と学習評価)。
同じ資料では、学習内容の理解を定着させる観点から、単に問題演習を行うだけでなく、内容を他者に説明するなどの学び合いが有効だとされています。しかもそれは、説明する子どもと聞く子どもの双方にとって有効だと考えられる、と説明されています。
つまり教える側にも学びがあるということです。人に説明するには、自分の理解を言葉にして組み立て直す必要があります。その過程で「分かったつもり」だった部分に気づくことがあります。
班をつくれば成立するわけではない
机を寄せて班にする係を分担する。それだけでは協働的な学びにはなりません。作業を分けただけでは、それぞれが自分の担当分しか身に付かないためです。
必要なのは、一人ひとりが先に自分の考えを持っていることです。考えがない状態で集まると、声の大きい子の意見をそのまま写して終わることがあります。
たとえば話し合いの前に、3分だけ自分の考えをノートに書く時間を取ります。書いたものがあれば、比べることができます。「自分と違う」と気づいたところから、質問や説明が生まれます。
同学年の中だけの話ではない
協働的な学びは、同じ学年・学級の子ども同士の学び合いに限りません。
文部科学省は、異学年間の学び、他の学校の子どもとの学び合い、地域の方々や多様な専門家との協働なども含むものだとしています。学校行事や児童会・生徒会活動などの中で異学年交流の機会を充実させることも挙げられています(出典:文部科学省教育課程の実施と学習評価)。
学級経営が土台になる
協働的な学びの効果を高めるには、学級経営の充実が必要だとされています。子どもが違いを認めて協力し合える学級づくりを進めることが前提になるためです(出典:文部科学省教育課程の実施と学習評価)。
考えの違いを出し合う場面では、否定される不安があると意見が出ません。日頃の関係づくりが、話し合いの質を左右します。
採用試験では個別最適な学びとセットで語る
協働的な学びは、個別最適な学びと一体的に充実させるものとされています。この関係に触れると、全体像を理解していることが伝わります。
説明するときは、流れに沿って述べると分かりやすくなります。まず一人ひとりが自分の考えを持つ。次に考えを出し合って比べる。そこで得たものを、また自分の学びに返す。この順序です。
「みんなの意見が一致してよい話し合いでした」で終わらせない視点も持っておきたいところです。違いが出たときこそ、考えを深める場面になります。”


