小学校と中学校に置かれた教科をまたぐ時間
総合的な学習の時間は、小学校と中学校に置かれている時間です。高等学校には名称の異なる「総合的な探究の時間」が置かれています。
この時間では、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行います。それらを通して、よりよく課題を解決し自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標としています(出典:文部科学省総合的な学習(探究)の時間)。
「横断的」とは、教科の枠を越えるという意味です。国語、算数、理科、社会と分かれている学びを、一つの課題のもとにつなげて扱います。
探究の過程を繰り返す
総合的な学習の時間では、探究的な学習を実現するために「①課題の設定→②情報の収集→③整理・分析→④まとめ・表現」という探究のプロセスが明示されています。そして学習活動を発展的に繰り返していくことが重視されてきました(出典:文部科学省中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総合的な学習の時間編)。
同じ解説では、この時間について、地域や学校、児童生徒の実態等に応じて教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習とすることと同時に、探究的な学習や協働的な学習とすることが重要だとされています。
学習の成果も報告されている
この時間の効果については、調査結果も示されています。
文部科学省の解説では、全国学力・学習状況調査の分析等において、総合的な学習の時間で探究のプロセスを意識した学習活動に取り組んでいる児童生徒ほど、各教科の正答率が高い傾向にあることが明らかになったとされています(出典:文部科学省中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 総合的な学習の時間編)。
また、総合的な学習の時間の役割は、OECDが実施する生徒の学習到達度調査(PISA)における好成績につながったことのみならず、学習の姿勢の改善に大きく貢献するものとして国際的に高く評価されている、とも記されています。
補習や行事準備の時間ではない
総合的な学習の時間は、自由時間ではありません。
そのため以下のように使わない方がよいでしょう。
・テスト前だから算数の復習に使う。
・運動会が近いから練習に充てる。
こうした使い方はこの時間の目的から外れます。
たとえば地域の農業を扱うとします。社会科で学んだ産業の知識、理科で学んだ植物の知識、算数で学んだグラフの技能。これらをすべて持ち込んで一つの課題に向かいます。
教科で学んだことを、教科の外で使ってみる時間。そう捉えると分かりやすくなります。
地域と関わるときに気をつけること
地域の人や施設と関わる場面が多い時間です。ただ、体験して感想を書くだけで終わると、活動しただけになりかねません。
体験の前に「何を確かめに行くのか」を子どもに持たせます。体験の後には「行く前の考えとどう変わったか」を書かせます。この前後があると、体験が学びにつながります。
採用試験では校種の違いを間違えない
小学校・中学校は「総合的な学習の時間」、高等学校は「総合的な探究の時間」です。
内容としては、探究的な見方・考え方を働かせて横断的・総合的な学習を行うこと、よりよく課題を解決し自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを述べます。
あわせて探究の四つの過程を挙げ、「教科で学んだことを使う場」であると説明すると教科との関係も理解していることが伝わります。
各学校が目標や内容を定める点にも触れられると、さらに正確です。学習指導要領では、各学校において第1の目標を踏まえ、その学校の総合的な学習の時間の目標と内容を定めることとされています(出典:文部科学省小学校学習指導要領 第5章 総合的な学習の時間)。


