総合型地域スポーツクラブは、地域のスポーツ施設(学校体育施設や公共スポーツ施設など)を拠点にして、一つの種目だけでなく多様なスポーツ種目を楽しみ、地域住民が自ら「運営委員会」を組織して主体的に運営するスポーツクラブのことで、「スポーツ振興基本計画」(2000年9月)の中で構想された。
同計画は、2010年までに全国の各市町村において少なくとも1つはこれを育成すること、将来的にはすべての中学校区の地域(約1万ヶ所)に定着させることを目標に掲げている。文部科学省は、総合型地域スポーツクラブは、学校週五日制時代における地域の子どものスポーツ活動の受け皿になり、また地域住民の連帯意識の高揚、世代間交流などの地域社会の活性化に寄与するとしている。
そして学校(特に中学校)は、その体育施設を拠点とすることが構想されている点で、この総合型地域スポーツクラブの育成に積極的に関わることを期待されている。しかしこのことは学校機能を安易に肥大化させ、ひいては現場を混乱させることになりかねない。総合型地域スポーツクラブを育成する上で、この点を配慮した条件整備を進めていくことが求められる。