日本における出生数は減少傾向が続き、1人の女性が一生の間に生む平均子ども数(合計特殊出生率)は、2000年には1.36人、そして2001年には1.33人と過去最低を更新し続けており、少子化の問題は深刻である。少子化の要因には未婚化・晩婚化の進行など様々な要因が挙げられるが、最大の理由は子どもの養育費・教育費が極めて高額になっていることにある。そして少子となった結果として、親の過保護・過干渉や他の子どもと競い合う機会の減少など、子どもの人間形成の面でいくつかの問題が考えられる。
こうした少子化への対策として、向こう五年間での具体的な実施計画を示した「重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について(新エンゼルプラン)」(1999年12月)が出された。そこでは子どもセンターの全国展開、子育て支援ネットワークの構築などの地域の教育環境の整備、「生きる力」を育むことをねらいとした学習指導要領の改訂、教育に伴う経済的負担の軽減などが示され、以来、これに基づいた施策が継続して実施されている。
しかし場当たり的政策の感が否めず、子育てを安心して行うことのできる公的支援体制の充実や、子育て費用の抜本的軽減措置が急務となっている。