反省的実践家

アメリカのマサチューセッツ工科大学教授ドナルド・ショーンが1983年に出版した著書『反省的実践家―専門家はどう思考しているか―』において提唱した新しい専門家像。旧来の「技術的合理性」を基礎とする「技術的熟練者」(technical expert)と対比された、「活動過程における省察」を基礎とする「反省的実践家」(reflective practitioner)という専門家像である。

これを教師に適応した場合、「技術的熟練者」モデルは、「効率性」「有能さ」を原理とした、学校の画一性や官僚組織に適合する教師像となる。これに対して、「反省的実践家」モデルは、教師の自立性と専門的見識を基礎とし、「自由」「多様性」を原理とした、民主的社会に適合する教師像となる。この新しい教師像の萌芽は、すでに1960年代末以降の教員センター運動の中にも見られたが、1980年代中期以降の新しい教師教育改革運動の中で、全米の教師たちに広く支持されるようになった。

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