学校や教師に対して、親や地域などからの要望や意見は従来から多く寄せられてきたが、最近では「要望」というよりもむしろ「苦情」、時には理不尽ともいえるイチャモン(無理な要求という意味の関西弁)が持ち込まれるケースがしばしば見受けられる。それは、教師を萎縮させ、ストレスや過労の原因となる。そして、中にはノイローゼや入院、休・退職へと追い込まれる者もいる。
こうした無理な要求や執拗な抗議の背景には、親の学校・教師不信が根強く存在していると考えられる。この「不信」がどのようにして発生するかは様々であろうが、保護者間の噂話や子どもの話の鵜呑み、マスコミの一方的で無責任な報道なども大きく影響している。 等身大の教師や学校の姿” が、きちんと保護者たちに伝わっていないままで、一方的に「学校の守備範囲の拡大」だけが進んでいる。
学校側や教師の対応が悪く、こじれていくケースもある。当事者間の努力ではいかんともしがたい事態になる場合も少なくない。このような事態を避けるためには、司法的解決以前に、トラブル処理のためのなんらかの第三者的窓口となる機関が必要である。