自己中心性

子ども特有の心性を特徴づけるのにピアジェが用いた用語。自他がまだ未分化で、自分の視点と他者の視点を区別することができないため、他者の視点に立つことができず、自分の視点からのみ世界を認知する傾向をさす。

自分の視点に縛られず、他者の視点に立ったり、複数の視点を取り入れたりすることができるようになっていくことを脱中心化というが、これは遊びを中心とする他者との交渉を通してしだいに可能になっていく。

人とうまくかかわれない子どもや若者が増え、自分を他者や社会につなぐことができずに引きこもる病理が広まりつつある今日、大切なのは自己中心性からの脱却による社会性の獲得であろう。

そのためには、他者の視点に立ったり、複数の視点を柔軟に取り入れたりできるように、他者とのかかわりを十分経験させるような教育的働きかけが必要である。

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