自立と依存

自立とは、他者に従属せずに独立している状態をさす。自立には、身辺的自立、精神的自立、経済的自立などさまざまな側面があり、それによって達成される年齢段階が異なる。自立に対して依存という概念がある。かつて依存は自立に対立する概念とみなされていた。だが、安定した依存関係を基礎にしてはじめて自立が成し遂げられるといった側面もある。

たとえば、依存が必要な時期に十分依存的関係を経験できない場合にその後の対人関係が不安定になったり、親子、夫婦、親友、恋人など最も身近な相手との間に相互依存的関係が確立されていることにより社会的に安定した行動がとれるということがある。

そこで、依存から脱却することで自立するのではなく、身近な人たちとの間に適度な相互依存関係をもつことによって自立が保障されているといった見方がとられるようになってきている。そうした事情から、依存というよりも肯定的な響きのある愛着という語が用いられるようになってきた。

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