ティーム・ティーチングとは、授業場面において、2人以上の教職員が連携・協力を通して1人ひとりの子どもおよび集団の指導の展開をはかり、責任をもつ指導方法および形態である。学級内における教師間の協力はもとより、学習形態の工夫をはかる観点から、学級集団にとらわれずに適宜移動して学習集団を柔軟に編成するところに、すなわち、学習内容、興味・関心、達成度などに応じて柔軟な学習集団の編成を可能とするところに、ティーム・ティーチングの特徴がある。
このように学習指導の充実をはかるには、教育内容や教育方法の検討とともに、教師間の連携・協力をはかる指導体制や形態の工夫・改善も欠かせない。学習集団の編成や授業の分担・協力など質の高い授業の展開を試みるにあたって、これまで試みられてきた合同授業や交換授業、さらに一部教科担任制に加えて、ティーム・ティーチングなど協力的な指導の在り方が開発されてよい。
ティーム・ティーチングには、次のような方式がある。
(1)同一学級内におけるティーム・ティーチングとして、個の理解や進度の程度や興味関心等に応じた学習、などに協力して指導する方式。
(2)学級の枠を越えたティーム・ティーチングとして、習熟度別グループ、課題別グループ、個別学習などに協力して指導する方式。
(3)学習内容などに応じるティーム・ティーチングとして、体験的な学習、コンピュータ等を活用する学習などに協力して指導にあたる方式。
その学習指導上の利点として、
- 学習活動について多様な形態を生み出し展開を可能にする
- 学習活動の課題や内容に応じて複線化に対応できる
- 個々の学習者の学習速度やスタイルなどに応じられる
- 学習材の収集や作成などを複数の教師で応じることができ学習環境を豊かにする
- 複数の目で個々の子どもを多面的に捉え深めることができる
などの諸点があげられている。
ティーム・ティーチングの開発と運用にあたっては、
- TT担当教員の校務分掌など校内組織における位置づけの明確化
- 学級担任や学年教師集団とTT担当教員の緊密な連携・協力
- ティーム・ティーチングについて方式や効果など管理職や主任をはじめとする校内全体の理解
- TTに前向きに取り組む組織文化の形成
- TT担当教員の校内における信頼の獲得
などが欠かせない。