2024年年末のこと。文部科学大臣は中央教育審議会に対し、社会人が教員に転身しやすくなるような免許取得方法について検討を求めました。
つまり現在教員不足が深刻な状態で、それの解決策の1つということでしょう。
免許法が改正されることは賛成なのですが、人手不足の解消という面で免許を取りやすくするというのは違うと思います。
教員不足の根本原因を解決しなければならない
教員不足の根本的な原因を解決しなければ、教員免許を取りやすくしたとしてもあまり効果はないでしょう。
つまり大きく傷ついた場所があり、本来であれば手術が必要なところをを、絆創膏で直そうとしているようなものです。
教員不足に陥っている原因
昨今、教員不足になっている原因として考えられるのは以下のようなものです。
- 長時間労働などの過酷な労働環境
- 部活顧問など本業以外の業務が多い
- 生活指導の必要な子どもが増えた
- 保護者や地域住民への対応が負担
- 教材研究ができないなど満足のいく授業ができない
- 待遇(給料)が良くない
- 教員の魅力が伝わっていない

これに関しては私もいろいろ思うところがあります。
私の意見としては、先生たちは「真面目過ぎる」という点です。

真面目なことは悪いことではありません。真面目過ぎるのです。
理想の先生像を追いすぎてしまう、または理想の先生像を追うように指導してしまうのです。
結果として真面目がゆえに理想通りにいかなかった結果、またはキャパオーバーをしてしまった結果、離職につながっていたりするのです。
教員免許は二種でよいと思う
教員免許は二種でよいと考えています。
段階的に取得していく
教員免許を取得するイメージとしては、まず二種(短期大学レベル)、そして一種(4年制大学レベル)。その先望むのであれば専修(大学院レベル)といった具合です。
たとえば小学校教諭の免許状を取得するときですが、二種免許状を取得するためには45単位必要となります。そしてそれにプラスして22単位修得(合計67単位)すると一種免許状を取得することができます。
4年制大学の教育学部で教員免許を取得する場合には、一種の取得が卒業の条件ともなります。だからこそ多くの先生は一種を持っているのです。
ただし二種免許状で先生をしている人もいます。それで困ることはおそらくありません。
社会人専用教員免許でよい
二種と一種があるから、そして人によっては一種の方が優遇される(多少)ため、一種の取得を目指します。
社会人が働きながら勉強する場合には、一種の取得も大変です。
しかし二種であれば、かなり負担を減らし取得することはできるでしょう。
またそもそもですが、社会人経験があるのなら、免許を取得する際に必要な単位数をかなり減らしてもよいと思います。
なぜなら「勉強した内容は形式的なもの」であるためです。
教員免許取得に必要な単位は本当に役立つのか疑問
当サイト内でも触れていますが、教員免許を取得するために勉強した内容は、あまり現場では役に立ちません。
さらに教員採用試験でもほとんど役に立ちません。
※実際に通信大学で教員免許を取得した私の個人的な意見です。
どちらかというと必要なのは人間性です。とくに小学校の場合は。
中学校や高校の先生というのであれば、特定の科目のある程度の知識は必要となります。テストで少なくても9割くらい取れるレベルの知識は必要でしょう。(そうでないと教えられないため)
単位を取るための勉強 覚えていない
大学でも通信大学でも、教員免許を取るためには必要な単位を修得する必要があります。
つまり単位を取るために勉強するだけであり、正直しばらくするとほとんど忘れてしまいます。
採用試験は全く違う
教員採用試験の内容は、教員免許を取得するために勉強した内容とは異なります。そのため専用の勉強が必要となります。
そもそもこれが問題だと思います。
免許を取るための勉強。採用試験に合格するための勉強。
このような2段階になっているため、教員不足といいながらハードルが高いのです。
教員不足解消のための方法
教員不足を解消させたいのであれば、以下のことが解決するとよいと思います。
- 職場環境の改善(定時に帰るのが当たり前、余計な会議の削除、休憩・休日の確保)
- 教員免許取得までの短縮化
- 社会人経験者のさらなる優遇
- いい意味で先生は不真面目に
これらが実現できれば、先生志望者は増えることでしょう。
とくに職場環境の改善については、どんなに簡単に先生になれたとしても、どんどん辞めていくだけです。
このあたりをよく考えたほうがよいと思います。
参照 社会人、教員へ転身しやすく 免許制度の見直し諮問(外部サイト)
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