ここでは「養護教諭の教員免許状を取得できる4つの通信大学」を紹介しています。
養護教員とは「保健室の先生」のことです。学校の保健室に勤務し、怪我や病気の応急処置を行っているようにしか見えないかもしれません。しかしその業務は多岐に渡ります。
健康診断や保健の指導を行うことはもちろん、精神的に不安定な子どもの相談に乗ることもあります。
養護教諭の教員免許を取得できる通信大学は4大学あります。
養護の教員免許が取れる通信大学
養護教諭の教員免許を取得できる大学は、以下の4つの通信大学となります。
種別 | 地域 | 大学名 |
---|---|---|
1種 | 埼玉県 | 人間総合科学大学 |
千葉県 | 聖徳大学 | |
東京都 | 東京福祉大学 | |
兵庫県 | 姫路大学 |
他の教員免許と比べると、養護の教員免許を取得できる通信大学は非常に少ないです。
聖徳大学
教員免許 | 幼稚園、小学校、国語、英語、社会、書道、養護、福祉 |
---|---|
資格 | 学士、保育士、認定心理士、心理相談員、学校心理士、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事、司書、博物館学芸員 |
学費 | 約20万円/年 |
東京福祉大学
教員免許 | 幼稚園、小学校、英語、社会、保健、情報、特支、養護 |
---|---|
資格 | 学士、認定心理士 |
学費 | 22万1700円 |
人間総合科学大学
教員免許 | 養護 |
---|---|
資格 | 学士、心身健康アドバイザー、認定心理士、産業カウンセラー(受験資格) |
学費 | 31万円 |
姫路大学
教員免許 | 幼稚園、小学校 |
---|---|
資格 | 学士、保育士、図書館司書、学校図書館司書教諭、学芸員 |
学費 | 18万円~/年 |
学費は他の教員免許と比べても安め
養護教諭の教員免許を通信大学で取得する際の学費を紹介しています。
今回は「聖徳大学」を例に挙げてみます。
- 養護教諭教員免許(一種)・・・約40万円
- 小学校教員免許(一種)・・・約53万円
- 社会教員免許(一種)・・・約41万円
これはすでに大学や短大を卒業している人が通信大学で教員免許を取得する場合の金額となります。そのため最短2年となります。
入学金も含み、2年間で約40万円であるため、大学で免許を取ることを考えるとかなり安いのではないでしょうか。
通信大学によって学費は異なる
今回は聖徳大学を例に挙げてみました。
通信大学によって金額が異なるため、あくまでも参考としてください。
参照 通信大学の学費は驚くほど安い!教員免許は総額40万円前後で取得することができる
単位が取れなければ学費は余計に必要となる
養護教諭の免許を取得するためには、取得するための単位が必要となります。
その単位を通信大学で取るわけであり、最短2年間で取ることができます。
しかしレポートや試験に合格しなければ単位を取ることはできません。よって2年以上時間がかかる人もいます。
今回例に挙げている学費は2年間の学費となります。もしそれよりも時間がかかるということであれば、余計に学費は必要となります。これはどこの通信大学でもいえることです。(一般的な大学でも同じです)
よってなるべく学費を抑えたいという思いがある場合には、どんどん単位を修得する必要があるでしょう。
通信大学では単位を取る場所
通信大学では養護教諭に免許を取るために必要な単位を取ります。
必要な単位がそろったら、教育委員会で教員免許状を発行してもらえます。
つまり通信大学から教員免許状をもらうわけではありません。
通信大学での勉強の流れ
通信大学で養護教諭の教員免許を取る流れを簡単に紹介します。
基本的にどの教員免許においても同じような流れとなります。
これは最終学歴が「4年制大学を卒業した人の場合」であり、表は流れを単純化したものです。
大まかな流れ
採用試験は倍率が高い
養護教諭は教員採用試験での倍率は、他の教員免許の倍率に比べて高い傾向にあります。
倍率
養護教諭の採用試験倍率は以下の通りです。
受験者数 | 合格者数 | 倍率 | |
---|---|---|---|
東京都 | 744 | 88 | 8.5倍 |
静岡県 | 150 | 23 | 6.5倍 |
大阪府 | 379 | 25 | 15倍 |
以上は過去のデータとなります。
どの都道府県においても倍率は比較的高めとなっています。理由は養護教諭の募集人数が他の教科と比べ少ないためです。
通信大学で養護教諭の教員免許を取得 通信大学での勉強の難易度は高くはない
あくまでも一般論の話をしますが、通信大学で勉強すること自体は難しいことはありません。
まず入学試験がありません。書類選考のみです。
また難易度に関しては、その人自身の学力によって左右されるため、何とも言えないのが正直なところです。
しかし私の場合ですが、小学校の教員免許を通信大学で取得しましたが、とくに難しいと感じたことはありませんでした。(数科目は苦労しましたが・・・。)
養護教諭の免許を取得したわけではありませんが、特定の科目の教員免許のみ難しいということはないはずです。
実習先は自分で探す これは大変かもしれない
養護教諭には学校での実習のほかに病院実習があります。
基本的に通信大学生は実習先を自分で探すことになります。
どの病院でも受け入れてくれるわけではないと思いますので、ここが難しくなる可能性はどうしてもあります。
ただ言えることは、通信大学で教員免許を取得している人たちはみんな同じ状況です。
気を付けてほしいネット情報
通信大学で養護教諭の教員免許を取得することに関して、インターネット上で気になる投稿(Q&A)を目にしました。
誤解を生んでしまう可能性のある投稿であったため、当サイトとしての見解をお話ししたいと思います。
投稿内容と当サイトの見解
投稿の内容は以下となります。
通信大学で養護教諭の免許を取りたい。しかし実習先を見つけるのは難しいのか?
それに対し
実習先を見つけるのはコネがないと無理。さらに実習に行けないと、それまで取った単位が無駄になり始めからやり直しになる。
結論としてですが誤った情報だと思います。
少なくても取得した単位がなくなるということはありません。
実習先ですが、通信大学の場合は自分で実習先を探します。これはどの科目の教員免許を取る場合でもです。私も自分で探しました。
確かにコネがあれば楽でしょう。しかし誰もがそうではありません。みんな自分で頑張って探しています。
中にはすぐに見つかる人もいるでしょうし、そうではない人もいます。どうしても教員免許が欲しいのであれば、自発的に探す必要があるでしょう。
心配であれば直接通信大学に聞いてみる
いろいろな情報があって迷ってしまう人もいることでしょう。
もし心配だったりわからないことがあれば、直接通信大学に聞いてみるとよいでしょう。私もいろいろ質問した経験がありますが、しっかり教えてくれました。
たとえば今回の件に関してであれば、
- 養護教諭の免許を取った人の割合は?
- 実習先はどうすればよい?実習先は見つかるもの?
- もし実習を受けられなかったら、それまで取った単位はどうなる?
などでしょう。
そもそもですが、通信大学で養護教諭の免許を取るのがそれほど厳しいものであったら、どの通信大学も扱いません。大学は慈善事業ではなく営利目的であるため、利益にならないものは扱わないのです。
インターネット上には正しい情報からそうではない情報まで数多くあり、自分自身で取捨選択をする必要があります。
通信大学のことでわからないことがあったら、通信大学に直接質問するのが一番だと思います。
養護教諭の仕事内容
養護教諭の仕事内容は、学校の子どもたちの健康面全般を把握し、適切な処置を行うといったものです。
怪我をしたら応急処置を行い、その後、どうしたら良いのか適切なアドバイスをしたり、適切な行動を行います。
また体の発育などの授業を担当することもあります。
怪我をしたときのケア
怪我をした子どものケアは、養護教諭の大切な仕事の1つです。
子どもが怪我をした場合。どのように怪我をしたのか状況を把握します。そして養護教員が関わるまでの時間、どのような処置を行ってきたのかも正確に理解します。
怪我の状態や怪我をしたときの状況を総合的に判断し、教室に戻すのか、保健室でしばらく様子を見るのか、それとも保護者に声をかけるのか、緊急で病院に運ぶのかなどの選択に迫られます。
学校全体のケア
学校全体のケアを行うのも養護教諭の大切な仕事となります。
インフルエンザが流行する季節には、各クラスごとの健康状態をチェックし、学校内でどの程度流行しているのかをチェックします。そして、インフルエンザ感染によって欠席した生徒数の統計を取り、教育委員会に知らせたりします。
このように、養護教諭はただ保健室にいて、病気や怪我の子どもの対処を行うだけではなく、学校全体の様子をチェックし、適切な対応を取らなければならないのです。
教員との連携が大切
学校内の職員とはしっかりと連携を取る必要があります。
もし保護者を呼ぶレベルの怪我をしていた場合、基本、保護者に連絡を取るのは学級担任となります。その際、学校内職員との人間関係が上手くできていないと、何かしらの支障が生まれてくるのです。
そのためにも、学校内の職員とはコミュニケーションを日頃から十分にとった方が良いでしょう。
また、最近では様々な悩みを抱えている保健室登校児童への対応も増えていることから、対人関係、進学、家庭の問題など、幅広いサポートが必要となってきています。
これに関しても、担任教諭との連携を取ることで、悩みを抱える児童に対しての最善の指導方法を導き出せるのです。
教育現場での立ち位置(実体験)
保健室の先生である養護教員は、クラス担任になるわけではありません。基本的には保健室で仕事をしています。
一般の教員側からして良いと思う点は、冷暖房が効いている部屋にいられることでしょう。夏は涼しく、冬は暖かい環境で仕事をすることができます。
しかし近年、学校では冷暖房の設備が広がっています。そのためこの辺りの優位性は薄れてきたかと思います。
一人仕事が多い
クラス担任と異なる点としては、一人での仕事がメインとなることです。
クラス担任であれば子どもたちと一緒にコミュニケーションを取りながら時間を過ごしますが、養護教諭はそうではありません。そして基本一人ということは、養護の仕事に関していうと身近に相談できる相手がいません。
養護の先生を見ていて「よくひとりで仕事ができているなぁ」と何度も感心したことがあります。
また職員室では、机は学年別に固まっているのですが、養護の先生は少し離れたところにいます。(学校によるかもしれませんが・・・。)
教室で勉強できない子どものケア
さらに大変だと思ったのは、教室で勉強ができない子どもの対応です。
学校には来ている、でも教室には行けないという子どもは意外といて、そういった子どもは保健室に滞在していることが多いです。その際に、勉強を教えたり、心のケアをしたりしている姿を何度も目にしました。
そういった面からしてみても、かなり特殊な仕事であると思います。
よくある質問
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