「教員の給与が最低賃金以下」
何ともインパクトのある記事を目にしました。
記事にある情報を基にすると、そうなってしまう可能性はなくはありません。ただしこれは教員自らが自分でそうしているといっても過言ではないのです。
またこれは、どの仕事に就いたとしても同じことがいえるのではないでしょうか。
学校以外の仕事をしたことのある人、世間のことを知っている人であれば、この記事を見たらどう思うでしょうか?
「私の勤めている会社の方がよほどひどい」
そういった意見が多数聞かれるかと思います。
この記事の目的は教員の職場環境の改善
今回目にした記事のまとめとしては、「教員の職場環境を改善したほうがよい」ということでした。
つまり現状の環境はよくないといっているのだと思います。
当サイトの見解としては、教育現場の環境は決して悪くはありません。する必要ないと思われる仕事は確かにあります。そしてそれに時間を取られているのも事実です。
そうであったとしても、一般的な会社に比べてそれほどひどい環境ではありません。
大事なこととしては「先生たちの考え方を変える」、もしくは「先生がもっと不真面目になること」が大切だと思っています。
最低賃金以下となる理由
最低賃金以下となる理由を少しお話ししたいと思います。
教員の平均月給は約40万円とのことです。そして1日当たりの勤務時間は7時間45分(7.75時間)。
ここから1ヶ月を20日として計算すると、
7.75時間×20日=155時間
となります。決められた時間内のみを勤務すると1ヶ月で155時間労働するということになります。
それを平均月給の40万円で換算すると
40万円÷155時間=2580.64円
つまり約時給2581円となるということです。
この数字だけ見ると、決して悪い数字ではないように思えます。
残業時間を換算すると時給が低くなる
問題はここからです。
たとえば1日当たり3時間余計に仕事をする先生の場合、3時間×20日で60時間が残業時間ということになります。
最低勤務時間が155時間であるため、1日3時間の残業を行うと1ヶ月あたり200時間を超えることになります。
200時間働いたとして時給換算すると、時給は2000円となります。
一応300時間働いた計算もしておくと、時給は1333円となります。
平均月給以下であれば最低賃金を割る可能性もある
平均月給を40万円で計算すると上記した数字となります。
平均月給はあくまでも平均です。40歳前後の先生の給与がこのくらいと考えてよいと思います。
つまり学校の先生になったばかりであれば、給与額は20万円前後となります。
すると今回算出された金額の半分程度の時給になります。
その場合、確かに最低賃金以下になってしまうことでしょう。
教育現場の実情 仕事をするかどうかは先生次第
学校の勤務時間は明確に定められています。そして残業をするのかどうかはその先生の自己判断となります。
長く働く先生がいるのは事実
勤務時間外に仕事をする先生がいることは事実です。
単純計算ですが、先生たちの勤務時間は1ヶ月で155時間です。
しかし先生によっては1ヶ月200時間~300時間働く人がいることも事実です。
一見すると、ものすごく長い時間残業をしているようにも思えます。長い時間働く先生は大変だと思います。
しかし客観的にお話をさせてもらうと「帰ればよいのに」となるのです。
厳密にいうと、残業をしなければならない決まりは全くありません。
残業は強制ではない 自分の意思
勤務時間以外の労働は強制ではありません。先生たちは自分の意思で残っているのです。まずここが重要なポイントです。
一般社会であれば半ば強制での残業もあります。さらに残業代金が出ないということもあります。
そう考えると、給与額の4%(2024年時点)ではありますが、先生たちに残業代はあります。
逆に残業をしなくてもこの4%は支払われます。
アルバイトを例にしてみる
アルバイトを例にしてみます。
コンビニエンスストアでアルバイトをしていたとしましょう。勤務時間が過ぎたら仕事は終わりです。
その後、自分の意思で働き続けたとしましょう。勤務時間外の話です。
時給は出ますか?出ませんよね。
それは誰もがわかっていることです。だから勤務時間外では普通は働きませんよね。
でも学校ではこれをしている先生が多いのです。
残業は強制されないが雰囲気を感じる
残業は強制はされませんが、周りの先生からもっと仕事をしろという雰囲気を感じるのは否定できません。
しかしそんなことをいちいち気にする必要はないのです。もしその結果何か言われるようなことがあれば、そしてそれに耐えられないと思うのなら教育委員会に話を持って行けばよいだけの話です。
解雇されることはありません。
評価される傾向にある
実は長い時間働いていると評価してくる先生が一定数います。
これが教育現場の悪い所です。
本来であれば、自分の仕事を素早く終わらせ早く帰っている先生の方が評価されるべきなのです。
不真面目になっても解雇されることはない
学校の先生は基本的に解雇されることはありません。
一般の会社であれば何か会社にとって不都合なことがあったら解雇されることがあります。しかし学校の場合、犯罪行為さえしなければ解雇は通常されません。
これが安定した職業である所以でもあります。
一生懸命はよいが先生が楽しまなければよい教育はできない
学校の先生が子どもたちのために一生懸命になるのはよいと思います。
しかしその結果残業をし、夜遅くまで毎日働き、休日出勤もして、最終的に体や心を壊してしまうのは違うと思うのです。
子どもたちにとってよい教育を提供したいのであれば、まず先生自身が楽しむ必要がありますし、健康でいる必要があります。
付かれていれば表情にも態度にも出ます。それは子どもたちにも伝わります。
自分が頑張れば頑張るほど、空回りしていってしまうのです。
自己満足にすぎない
冷たい言い方となりますが、1日3時間残業しようと、5時間残業しようと、10時間残業しようと、対して生徒たちの能力は大きくは変わりません。
どれだけ授業の準備をしたとしても、全員に響く授業は不可能です。それはクラスの生徒の能力、感受性はそれぞれであるためです。
私自身の話ですが、私はほとんど残業をしませんでした。好きにたまに残ることもありましたが、仕事を勤務時間外に残すことはほとんどありませんでした。
もちろん宿題も出し、それの採点、添削も行っていました。
そして結果として、その学年内でのテストの点数が常に上位でした。
これは塾で講師をしていた時の経験が役に立ちました。
生徒の成績をある程度上げることはそれほど難しいことではありません。そしていくら残業したとしても、そのあたりの能力は身に付きづらいと思います。
もし身に付けたいと思うのであれば、民間の会社や学習塾で数年仕事をした方がよいと思います。
社会に出たらわかる教員と公務員の魅力
今回のような記事を目にすると、教員という仕事を敬遠してしまう人もいることでしょう。
いろいろ経験のある私からすると、教員という仕事が一番やりがいのある面白い仕事だと思います。
ただしたくさんお金を稼ぎたいということであれば、一流外資系の企業に就職するか、起業して成功したほうがよいと思います。
それ以外でしたら、教員に限らずですが公務員を選ぶのは全然悪い選択ではありません。
安定は最大の魅力
学校の先生は公務員です。
文中でも触れましたが、犯罪でもしない限り解雇されることはありません。そのため好きなように思いっきり仕事ができるということなのです。
勤務時間が終わったらすぐに帰ることも権利です。民間の会社より権利を主張しやすい環境といえます。
逆にまったく何もしなかったとしても解雇されないため、そういった先生が増えていくのも事実です。
もっと不真面目に自己中に
学校の先生はもっと不真面目に、そして自己中になったほうがよいと思います。
勤務時間が終わったら帰ればよいです。
残業するのも自由です。しかしそれを他人に強要はしないでください。一方、強要されたとしてもそれを無視する力を付けてください。
かなり恵まれた環境で働いているのを自覚してください。
これから先生を目指す人は、民間企業に比べると学校という職場は全然悪い職場ではないと思います。ただしばらくは民間企業で働いてみることをおすすめします。
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