よい授業をおこなうためにはいくつかの条件があると思います。
長く教師を続けていれば、授業の展開や進め方は年々上達してくるものです。
しかしそれは「上達」ではなく「無難」となっているケースもあるのです。
無難な授業はなかなか失敗しません。それはそれでテクニックではあるのですが、生徒の成長に好影響を与えているのか?というと難しい判断となります。
私はよい授業の第一歩は、子どもとの関係生づくりだと思っています。子どもとの関係性がうまく作れると、1の授業が5にも10にもなります。
授業テクニックと生徒の成績は比例するわけではない
授業のうまい先生が教えると、必ずしも生徒の成績が上がるわけではありません。
私が某塾で働いていたときに強く感じました。
長年働いている先生は、テクニックがあり淡々と授業を進めていきます。生徒の成績もある程度であり、とくに大きな問題はありませんでした。
しかしそれ止まりです。
ある一定のラインまでは行っても、それ以上の上へ行くことはなかなかできませんでした。
それはなぜか?
生徒とのコミュニケーションが上手く取れていなかったのです。教師と生徒との間に強く濃い線を引いてしまっていたのです。
また生徒も何となく授業をおこなっており、自発的に勉強をするまでには至っていなかったのです。
「塾に来たから勉強をする。塾以外ではしない。」
塾は一つのきっかけにすぎません。そこで学んだ内容を自主勉強で身につける必要があります。
ところが勉強に面白みを感じていないため、自主勉強をする気が起きていないのです。
生徒があっての教師
生徒があってこそ教師がいます。生徒と教師が揃ってこそ授業が成り立ちます。
そこを勘違いしてはいけません。
教える立場の人間は、時として偉そうになってしまうのです。
確かに知識量は子どもに比べると豊富でしょう。しかしそれは偉そうにしてもよいということではありません。
教師が完全に子どもの上位に立ち天狗状態になってしまっては、子どもが言うことを聞いてくれなくなってしまいます。
生徒と仲良くなる 個性を理解する
まずは生徒と仲良くなりましょう。
物凄く大切なことです。
しかし生徒と仲良くなると一言で言っても、実はこれが大変なことなのです。優しくしながら、厳しくする。怒るときは本気で怒る。褒めるときには徹底的に褒める。
少なくても、生徒一人一人の特徴を把握する必要があります。
生徒は一人ひとり個性を持っています。全員に同じ対応をしていても、なかなかうまく行かないのです。まずここを理解する必要があります。
はじめは生徒一人ひとりの個性を把握します。そしてその個性に合わせて接していきます。
そこから少しずつ、自分のペースに持って行くのです。
このようにすることで、はじめは生徒によって態度を若干変化させていたものを、同じ方法で接することができるようになっていきます。
ただこれは非常に難しいと思います。経験であったり元来持っているコミュニケーション能力が影響することでしょう。
怒るときには、なぜ自分が怒られているのかしっかりと理解させる
生徒を怒るときには本気で怒りましょう。教師が真剣にその生徒のことを心配しているのなら怒るときには本気になるはずです。子どもはそんな教師を見破ります。
最近の子どもはあまり真剣に怒られる機会がありません。そんな時、真剣に怒ってくれる人間の存在は彼らにとっても貴重なのです。
彼らは、怒られるのが嫌いというわけではないのです。むしろ期待していることすらあります。
また、悪いことをするときには、悪いことだと気づいていながらしていることがほとんどです。
その証拠に、悪いことをしそうなとき、その子をじっと見ていると、必ずこちらを確認します。見られていると気づくと「見つかった、まずい!」というような顔をします。
褒めるときは徹底的に褒める
怒る時と同様、褒めるときにも徹底的に褒めてください。というよりも怒る時よりも褒める機会を増やしてください。
褒める:怒る=9:1
この割合がよいとされています。こうすることにより1回の怒るが、より強力となってきます。
しかし、私は9:1ではありません。1回だと強力になりすぎるのです。
褒める:半切れ:マジ切れ=7:2:1
このくらいです。
この「半切れ」が案外有効なのです。「マジ切れ」を1度でもされている生徒は、教師が半切れ状態になると、その表情、雰囲気ですぐ分かるものなのです。
すると、「半切れ」状態になるだけ(そう見せかけるだけ)で、その場が静まるものなのです。
以上のように、上手くその場の雰囲気に合わせて、生徒と付き合いコミュニケーションを取り合うことで、学級運営は上手くいきます。そしてそれが授業にも大きく響いてくるのです。
気を付けてもらいたいこと はじめのうちは生徒によって差は出す
前述しましたが気を付けてもらいたこととしては、生徒によって対応を変化させる必要があるということです。
それは「生徒に合わせて使い分けする必要がある」ということです。
生徒一人ひとり違います。精神的な強さも違います。
極端な例でいうと、強烈に起こらないと響かない生徒もいますが、少しきつい言葉を言っただけで心が折れてしまう生徒もいます。
そのため同じ注意をするとしても、生徒によってそのレベルは調整する必要があります。
最終的には自分のレベルまで持って行くk
生徒によって接し方を変えるのははじめの内だけです。
少しずつ自分のペースに持って行きます。これにはしばらく時間がかかります。
「教師が生徒のことを把握する、生徒が教師のことを把握する、そして互いに信頼関係を築く。」
ここまで持って行ければ、どの生徒に対しても同じ接し方をしてもあまり問題にはならないと思います。
ただし常に生徒の反応は観察する必要があります。
少しずつ調整をしていって、生徒が知らない間に教師のフィールドに入っているといった感じです。
それができるとクラス運営はとても楽になります。
あくまでも私の経験論です。その当時のクラスでは通用しましたが、クラスの生徒が一人でも変われば通用しないかもしれません。
ただ言えることは子どもと本気で向き合うことは重要だと思います。
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