中学校教員の8割が1ヶ月で100時間越えの残業と言っているが・・・

教員免許1種と2種によっての合否の違い やはり1種が有利 教員の不祥事が多い6つの理由 教育現場経験者だからこそわかること

こんな記事を目にしました。

「中学校教員の8割が月100時間超の残業 働き方改革「上限規制」の対象外」

これを見ると、「学校の先生って大変だな」という印象を持ってしまうと思います。どんなにやりがいのある仕事でも、あまりにも過酷な勤務形態では続けていくのは難しいことでしょう。

しかしです。ここに書かれている記事に対して、私は意義を唱えたいと思います。

正確に言うと、「中学校教員の場合、確かに残業が多いのは事実ですが、小学校教員の場合は全くこの記事には当てはまらない」ということをお伝えしたいと思います。

そのため、以下に書く私見は「小学校教員についてのもの」です。

こんな状態で何年も勤める人がどれだけいるのか?

月100時間の残業となると、1か月を4週間として週5日の勤務として計算すると以下のようになります。

100時間÷(4週間×週5日)

つまり1日当たり5時間の残業ということになります。

教員の勤務時間は大抵の場合、午前8時から午後5時まで。

※所属する教育委員会などにより若干の前後はあるがこのような感じ。

つまり、5時間の残業となると、毎日午後10時まで先生たちは残業していることになるわけです。

現場経験者がハッキリ言います

現場経験者としてハッキリ言ってしまします。

「毎日5時間も残業している先生なんてほんの一握り」

ということです。

たとえば小学校の場合。女性の先生の割合が多いです。女性の先生で結婚している人の場合、家庭があるため定時、もしくは定時から1時間前後で帰宅することが多いです。

ではそれに対して誰かが文句を言うかというとそんなことはありません。なぜなら決められた時間はしっかり勤務しているためです。文句の言いようがありません。

次に、残業をよくする先生もいることは事実です。たとえば「若い先生」は現場経験が少ないため、何をするにもベテランの先生に比べ時間がかかってしまいます。そのため残業をすることはあります。とはいっても、毎日4時間も5時間も残業するかというと、そんなことはありません。

ただ、中には毎日のように遅い時間まで仕事をしている先生もいます。

たとえば小さな学校に勤務すると、教員の数が少ないため、複数の「分掌」を担当することになります。そういった場合には残業を余儀なくされることもあることでしょう。

※分掌とは学校運営に必要な業務、係りのようなものです。

いずれにせよ、今回目にした記事のように8割が100時間を超える残業ということはありません。

土日に自主的に学校に来て掲示物をしたりする先生も中にはいます。それを残業として含めたとしても100時間を超える人はほんの一握りです。

残業を100時間以上しているとしたら

まず前提として、残業するかしないかは先生一人一人が自由に決められます。強制されるものではありませんし、通常強制されることはありません。

ただ、所属する教育委員会や学校によって、もしかしたら厳しい学校があるかもしれません。(私の経験上はないですが)

私の意見としては、残業を100時間以上している先生はほとんどいないという見解ですが、敢えて言うならば以下のような先生ならもしかすると100時間以上残業しているかもしれません。

  • 授業力がなく準備が必要
  • 学校の仕事に慣れていない
  • あれもこれもと授業の準備をしすぎてしまう
  • とくに強制されていないのに年配の先生の顔色をうかがってしまう
  • 過度な保護者対応

学校の先生の仕事は正直際限なくあります。授業1つにしても、どこまでも掘り下げて準備をしようと思えばできてしまいます。

逆に言うと、別に準備をしなくてもそれなりの授業はできてしまいます。

問題はどこに着地点を置くかということです。

授業の準備にいくら時間をかけても、よい授業になるのかというとそうとは限りません。実力のある先生は、授業準備に対して時間を掛けなくても、授業になるとしっかりとポイントを押さえ、成績を伸ばす授業をすることができます。

なので、表現として難しいのですが、要領が良く頭の切れる先生はとくに授業準備をしなくても子どもたちにしっかりとした授業を提供でき、高い成績を取らすことができます。

逆にそうではない先生は、授業準備に異常に時間をかけることになってしまいます。

あと我が道を行く先生は、残業をどのくらいするか自分で自由に決めるようになります。

教員にも色々いるわけで、周りの目を気にして自分の評価を気にする先生もいれば、評価とかそんなものには興味なく自分の意見を押し通す先生もいるわけです。

周りの目を気にする先生は残業を良くすると思います。

学校の場合、出退勤がタイムレコーダーというわけではないです。そのため、だれがどのくらい勤務しているかというのは正直分かりません。ただ、遅い時間まで残っていると、それが教頭や校長の目に触れます。すると、「この先生はよく頑張っている」と思われやすいのです。

そう思われたい、自分は頑張っているとアピールしたい先生は残業することがあります。

しかし、我が道を行く先生は周りの目なんて関係ありません。自分の仕事さえしっかりできていればよいわけなので、自分の判断で早くも帰りますし残業もします。別に教頭や校長に頑張っていると思われなくてもいいと思うのです。

勘違いされると困るけど

一応言っておきますが、基本的には勤務時間内に学校の仕事は終わるように予定されています。

たとえば職員会議ですが、勤務時間を超えて予定が組まれることはありません。研修も同じです。なので、残業をしてまで職員会議や研修をすることは通常ありません。

ただし、PTAや地域の人との会議においては、勤務時間外に行われることがほとんどです。しかしそれも年間で数多くあるわけではありません。

つまり、残業しているということは、基本的には先生たちが自分で選んで仕事を作っているのです。

極論を言ってしまうとですが、たとえば、宿題の丸付けを残業で行っていたとします。何度も言いますが極論ですが、宿題を出さなければ丸付けをする必要がなくなります。それによって残業もなくなるわけです。

こういうこともやろうと思えばできてしまうわけです。

要領のよい先生の場合、たとえば丸付けは授業中や休み時間に行います。授業中に行っても実力のある先生であれば、授業の質を落とすことはありません。

真面目な人が多い

結局なのですが、良くも悪くも先生は真面目な人が多いです。そういったこともあり、「要領よく」ということができない先生が多いのです。

また、「子どものために」と思って色々準備し、結局自分の首を絞めてしまっている人は沢山います。

なので、残業時間の問題がありますが、いい意味でもっと適当に力を抜いて仕事をすれば、このような問題は発生しません。

最後に、色々書いてきましたが、私の経験上、残業100時間なんてしている先生はほぼいません。

最後に言いたいこと

私の言いたいことは、まず今回の記事のような事実は「小学校教員の場合でしたら考えにくいもの」です。

もし100時間を超える残業をしている先生がいるとすれば、仕事の効率化を図る必要があるし、それほどまでに時間のかかる仕事があるのであれば、やる必要はないと思います。

さらには、その仕事が割り振られているものであれば、割り振っている人の責任は非常に大きいということです。

ただし・・・中学校教員の場合、あり得ない話でもないかもしれません。

なぜなら、中学校教員の場合、部活を担当することになります。さらに定期テストを作ったりもします。

そのため、残業をしなければなかなか仕事を進められない可能性は十分に考えられます。

ただし、すべての先生がそうだとは限りません。要領のよい先生は、部活の時間、初めから最後まで参加することはありません。生徒に指示を出し、その間自分の仕事を進めます。

さらに、授業の空き時間もうまく利用して仕事を終わらせます。

追記 知り合いの先生にも聞いてみた

今回は私の意見を書きました。ただし私の経験だけでは情報量が少ないため、知り合いの先生にも聞いてみました。

すると、「8割ということは流石にないねぇ。あっても2割~3割くらいかなぁ。でも正直、他の先生がどの時間まで仕事しているっていうのはなかなか分からない。」とのことでした。

このサイトは、今後教員になりたいと思っている方が多く利用されています。そういった人たちが今回のような記事を目にし、「なんだ先生って残業を100時間以上もしなければならないのか・・・大変すぎる・・・教員になるのをやめよう・・・」

と考えてしまうのを恐れたため、今回のような意見を書きました。

再度お断りですが、私は小学校教員についての私見を書きました。元のソースは中学校教員についてのものです。

参照 先生になりたい人必見!学校の先生になるために必要な2つこと

 

「教員免許」
取得できる通信大学を検索

「資格」
取得できる通信大学を検索

タイトルとURLをコピーしました