通学区域制度の弾力化と学校選択制

小・中学校では市町村教育委員会は、法令上の規定はないが、その地域の地理的な状況や歴史的な経緯などを踏まえて一定の通学区域を設定し、それに基づいて就学予定者に対して就学すべき学校を指定している。

しかし、1997年一月の各都道府県教育長への通知では、通学区域の運用にあたってより地域の実情に即し、保護者の意向に十分に配慮した多様な工夫を行うべきことが示された。そしてこのように通学区域の弾力的運用が認められたことを受けて、東京都品川区や足立区、日野市、三重県紀宝町などの自治体において、学校選択制が実施され(いずれも小・中学校ともに)、2003年度からも新たに東京都港区や多摩市(小・中)、文京区(中)、大津市(小)などで導入が予定されている。

どの学校に子どもを入学させるかを決定するのは親の意思に基づくものなので、結局は家庭の教育力や親の教育的関心の有無(高低)によって、学校は選択されることになる。さらに、学校選択制の導入は、小・中学校の段階から児童生徒間、学校間に序列化と競争をもたらすという意見もある。

従来の均等化された学校に対しては批判も多いが、そこで子どもたちは様々な家庭的・社会的背景を持った仲間たちに出会い、それを通して社会性や人間性を高めるという良い面もある。「生きる力」を育成する上でも、こうした側面が再評価される必要があるだろう。

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