学習する組織

一般に、これまでのものの見方や考え方を変えて、新しい行動をとることができるようになることを「学習」という。それは人間がさまざまな人的・物的環境条件との相互作用を通じて果たされる。個人は絶えずそのような学習を続けている。

そして「学習する組織/組織学習(learning organization)」とは、組織もまた、あたかも個人がそうしているのと同じように学習し続けるものだという考え方、あるいは組織のそうした営みを指す概念である。  

この概念を踏まえて学校組織を捉えると、学校は絶えず新しい情報やものの見方・考え方などを環境条件から取捨選択して獲得し、組織内部にそれらを維持・定着させることによって新たな行動をとるはたらきをもっているといえる。社会の安定性・確実性が低く、変化を続けている状況では、組織は環境との相互作用を通じて絶えず自らの進むべき方向性や使命を問い直すことを迫られる。

学校裁量の拡大が進行する教育界において、学校組織はまさにそのような状況にある。つまり、学校は「学習する組織」としての作用をその内部に創りだす必要がある。 「学習する組織」であるためにもっとも重要なことは、外部からもたらされる多様な情報(たとえば保護者からの要望や疑問、新聞報道、最新の教育実践情報など)をキャッチした際に、「既存の組織内規範に照らして新しい情報の適否を吟味する」のではなく、「新しい情報の意義に照らして既存の組織内規範の適否を見直す」という手続きや態度をもつことである。つまり、組織内部でこれまで疑うことのなかった自明の見方や考え方を問い直し、斬新な発想で新たな価値観や規範を生み出していくことのできる組織こそが、「学習する組織」なのである。

 

 

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