学校の意思形成

校長の校務掌理権にしたがえば、学校経営上の意思決定に関する権限は校長のもとにある。しかし、学校が教育のための専門機関であり、教育専門職としての教員が直接的な教育活動を担うかぎり、教育にかかわる意思決定には、個々の教員の専門的自律性に根ざした意思が組み入れられる必要がある。また、児童生徒のニーズと実態、保護者の意思や要望など、学校の教育活動を展開するためには、さまざまな立場の多様な関係当事者による参加が欠かせない。

また、学校組織は構成員たる教員職務の独立性が高く、指導場面における意思決定上の裁量も大きいという特性をもっており、フォーマルな組織運営上の決定が必ずしも常にすべての組織活動に効力を維持できるわけではない。

こうした現状を踏まえるとき、学校経営は、学校の関係当事者どうしの間で絶えず情報や意見を伝え合い共通理解を形成していく営みだという側面をもっている。職員会議の性格がたとえ「補助機関」として位置づけられたとしても、組織としての一貫性と教員の自律性、学校全体の共通性と児童生徒の個別性など、さまざまな観点の間での意思形成を進めていくことが、学校経営にとって最も重要なポイントの一つである。

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