アメリカでは1980年代後半以降、各学校を単位とした教育経営を実現するための制度改革が多くの州で行われた。そうした制度改革は、
(1)従来、地方教育委員会が握っていた人事・予算・カリキュラムに関する権限を個々の学校へ委譲すること
(2)学校は委譲された権限を教職員・保護者・地域住民の代表による共同的意思決定のもとに行使すること
を併せ持っている。
後者に基づいて、各学校に設置されることになったのが学校審議会(school council)である。
学校審議会は学校ごとに、意思決定手続きのどこかに位置づけられるが、その位置づけ方はさまざまである。中には保護者代表が過半数を占めていて最終意思決定機関とされている地域もあるが、最終意思決定機関とされていない場合のほうが多い。
また、各種委員会を設置して、具体的な課題はそこで時間をかけて審議されるという点も見過ごせない。意思決定に対する多様な主体の参加と同時に、さまざまな保護者が学校の実態を理解し、学校に関心をもつようにするための装置としての意味も重要である。