2000年度から学校教育法施行規則に基づいて、「校長の求めに応じ、学校運営に関し意見を述べることができる」機関として学校評議員を各学校に置くことができることになった。当該学校の職員以外の者で教育に関する理解および識見を有する者のうちから、校長の推薦に基づいて教育委員会が委嘱する。これは合議制の会議体ではなく、あくまでも個人として意見を述べるものである。ただし、その運用の仕方は校長に委ねられており、学校評議員が一堂に会して意見を交換し合う機会を設けることはできる。
1998年の中教審答申の提言を受けて、各学校が保護者や地域住民の意向を把握し、反映するための具体的な制度として実現するに至った。ただし、すでに類似したしくみが作られている場合にはそれぞれのしくみを尊重した運用がなされる。
学校と家庭・地域との連携 協力の必要性は絶えず議論されながらも、肝心の教育活動に関する共通理解や信頼関係を形成するための正式なしくみは、従来の日本にはなかった。学校の教育目標や教育計画、そしてその実施状況などの情報を共有していくための制度としての学校評議員制度の誕生は、その意味で画期的である。
しかし、保護者や住民の側にはまだこの制度に対する十分な情報や理解が浸透しているとはいえない。また、学校運営を活性化し、教育活動に携わる教職員の取り組みに刺激をもたらすような運用にまで至っていない現状も否定できない。