協働とは文字通り、協力して働くことである。それは、2人以上の人間が共通の目的をもっていることを前提として成立する。「組織」が「協働の体系」とされる所以である。
利潤を追求する企業組織の場合、組織の最終目的は明確である。だからあらかじめ定められた共通の目的の達成に向けて構成メンバーの職務と役割を体系化し、個々の意欲を高めることによって協働をつくり上げるという方策が試みられる。だが学校の場合、目的の共有化と合意を形成すること自体の難しさがある。
たとえば、ある学級担任にとっては、他の教員との関係を絶つことのほうが自分自身の目的を達成するために都合がよく、たとえそういう行為をとったとしても学校組織全体がなくなるわけではない、というようなケースは枚挙にいとまがない。しかし、「学級崩壊」や「荒れ」への対応、TTや習熟度別指導の実施など、学校教育の現実は「協働」の重要性を明確に示唆している。「学校のアカウンタビリティ」も、学校を単位として問われる教育責任であり、協働は重要である。
学校の協働においては、組織目的をめぐる教員間の合意形成のプロセスが鍵を握っている。