現在の日本には、生徒や父母・住民などが、当事者として学校・教育行政の諸過程にかかわるという意味での「参加」を保障する法の規定は存在しない。ようやく最近、教育参加の一形態として、父母・住民参加をアレンジした学校評議員制度を導入したが、それでもなお日本は、OECD諸国のなかでは教育参加の完全なる後進国である。
教育参加には父母参加、住民参加のほか、生徒参加、教職員参加なども含まれる。参加の対象についていえば、学級参加、学年参加、学校参加、教育行政参加などがあり、その機能は単に意見を提示するにとどまらず、提案や審議などの意思決定にかかわる権限が保障される。
参加には当事者による公権力の統制という側面があるため、学校や行政は及び腰になりがちだが、当事者の関心や積極的な関与を促進するというプラス面に目を向ける必要がある。とくに父母参加は、親の学校教育に対する関心を高め、その結果、子どもの教育効果を高めるというメリットが期待できる。