平成10年に出された中央教育審議会答申「地方教育行政の在り方」は、地方分権と学校の自立性を提唱した画期的なものであった。学校の自律性の拡大は必然的に、真に力量のある学校管理職の確保を要求することになる。
同答申は、そのような視点から、「校長・教頭の学校運営に関する資質能力を養成する観点から、例えば、企業経営や組織体における経営者に求められる専門知識や教養を身につけるとともに、学校事務を含め総合的なマネジメント能力を高めることができるよう、研修の内容・方法を見直すこと」を提唱した。
平成12年の教育改革国民会議報告でも、「教育を変える17の提案」の1つとして、「学校や教育委員会に組織マネジメントの発想を取り入れる」ことが示された。
具体的には、「学校運営を改善するためには、現行体制のまま校長権限を強くしても大きな効果は期待できない。学校に組織マネジメントの発想を導入し、校長が独自性とリーダーシップを発揮できるようにする」よう提言した。
こうした提案が出されて以降、校長・教頭研修において、組織マネジメントを学ぶ「マネジメント研修」が積極的に取り入れられるようになっている。