教育・学習における共同(協同)的営みについては、デューイ以来その必要性が繰り返し主張され、実践化されてきた。中でも1980年代以降、学校を「小さな学びの共同体」に再構成することを目ざして取り組まれているのが、セオドア・サイザーを中心とする「エッセンシャルスクール連盟」の改革運動である。
彼らは個性化や多様化路線を批判し、できるだけ少ない内容を知性的な作業を通して学びあう「小さな共同体」を学校の内側に建設する改革を推進してきた。
日本では佐藤学が「学びの共同体」をキーワードに理念・実践をリードしているのは周知のとおりだが、彼の精緻化された実践理念には、サイザーらの主張がかなり反映されているように見える。