組織の経営過程は、計画(Plan)→実施(Do)→評価(See)→計画(Plan)→・・・というサイクルから成り立つといわれる。組織全体としての共通目的を明確にしてその達成のためのプランを立案し、そのプランにしたがって活動を実践し、実践によって得られた成果や問題点を診断・把握し、次の段階のプランづくりへとつなげていく。
このサイクルがいわゆるマネジメント・サイクルである。
たしかに、経営の手続きとしてこのサイクルの考え方は重要なのだが、学校経営の実態をみると、それは必ずしもうまく機能しているとはいえない。たとえば学校経営計画は、個々の教職員の実践にとって本当の意味での「計画」という意味づけがなされているか? あるいはまた、学校評価は本当に次年度の学校経営の改善に有効にはたらいてきたか?
目に見える形で「計画」を作成したり「評価票」に記入して集計したりしても、そうした作業を根底で支える学校としての使命や目標に対する教職員どうしの理解・納得・合意・共有がなければ「絵に描いた餅」となりかねない。そのような意味で、学校組織においては、「計画」に先立つ使命や目標をめぐる合意形成過程の重要性を軽視すべきではない。