自分の居場所

自分の居場所がないと感じている子どもや若者が増えている。心の居場所づくりとして、学校に行けない子どものための居場所づくりや、学校で心が疲れたときにひと休みしてリフレッシュできる居場所づくりも進められている。だが、心の居場所というのは、単に物理的な場所のみをさすと考えるべきではない。

自分の居場所のなさとは、自分は何のためにここにいるのか、自分にはどんな価値があるのか、日々の生活ひいては自分の人生にはどんな意味があるのか、そうしたことがつかめないことをさすのである。

自分の存在感の希薄さ、自己価値感の実感のなさ、将来展望が描けないことによる閉塞感などに起因する焦燥感や不安、足場のなさ、それが自分の居場所がないという感覚をもたらすと考えられる。

ここで求められるのは、人とかかわる体験や社会で何らかの役割を果たす体験を積むことであろう。自分の居場所というのは、他人とのかかわりの中にあり、社会的役割を身につけることの中にある。人とつながり、社会とつながることにより、自分の居場所というものが実感されてくるのである。

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