教職の免許は社会人になってからでも取得することができます。
大抵の場合、通信大学で教員免許を取ることになります。
通信大学に通う社会人は大きく2つのタイプに分けられます。
- すでに何かしらの教員免許を持っている
- 教員免許を持っていない
既に何かしらの教員免許を持っている人は、取りたい教員免許の勉強だけをすればよいです。そのため約1年で目的の教員免許が取得できることでしょう。
しかし教員免許を持っていない人は、教員に必要な知識を身に付けるところから始める必要があるため、最短でも2年必要となります。
社会人から教員を目指す人は意外と多い
社会人になってから教員を目指す人は実は結構います。恐らく想像している以上に。
たとえば通信大学で有名な明星大学の場合、在籍生徒数は約4000人です。そのほとんどが教員免許を取ることのできる教育学部です。また教員免許を取得することのできる通信大学は日本全国に複数あります。つまりどれだけ多くの人が通信大学で先生になるために勉強しているのかがわかるかと思います。
私も多くの中の1人だった
私もその一人でした。学生時代はまったく教員になることなど考えてもいませんでした。
さらに親が教員であったため、どこかで「親と同じ職業にはなりたくない」という思いもあったのかもしれません。
ところが小学校で支援員として働く中で、全く教育に興味がなかった私が教育に大きな魅力を感じ、教育に直結する仕事である教員を目指すこととなりました。
結果として2年半で小学校の教員免許を明星大学で取得することができました。
大前提!教員になるためには教員免許が必要!
教員になるためには「教員免許」が必要です。これが最低条件であり大前提です。
もし教員免許を持っていないのであれば、通信大学でこれから取れば問題ありません。最短で2年で取得することができます。
もし何かしらの教科の教員免許を持っていて、他の教科の教員になりたい場合には、教員に関する基礎的な勉強は修了している状態ですので、最短で1年で取得することができます。
教員免許を「持っている」場合
学校の先生は大きく分けて2つのタイプが存在します。正規教諭と講師です。
教員免許を持っていれば、その免許を活かし各市町村の教育委員会に講師登録を行うことで、講師としてですが学校で働くチャンスを得ることができます。教員免許を持っているだけで先生として働く機会を得られるのです。
または毎年、各都道府県で行われる教員採用試験に合格することで正規の教諭として働くことが可能となるのです。つまり正式な先生になれるわけです。
講師と言っても仕事内容は正規の教諭と基本的には同じですし、もちろんクラス担任として活動することができます。
持っている教員免許以外の教員になりたい場合には、通信大学で単位を取得し目的の教員免許を取得する必要があるのです。実はこういった人もかなりいます。
とくに「中学校の教員免許持っていて中学で働いているけど、小学校で働きたい」と思っている先生が、通信大学で免許を取ることはよくある話です。もちろんその逆も多いです。
教員免許を「持っていない」場合
教員免許を持っていない場合には教員免許を取得する必要があります。現在大学に通っていなくても、通信大学を利用すれば教員免許を取得することができます。
もし小学校の先生になりたいのであれば「小学校教員免許」を取得しますし、中学校や高校の場合、各教科の教員免許を取得しなければなりません。
教員免許を取得する機関は、「最短で2年」と考えてよいでしょう。
教員免許が取れたら各市町村の教育委員会に講師登録を行うことで講師として教壇に立てる可能性があります。先生は人手不足ですので案外声がかかることが多いです。
もしくは各都道府県で毎年行われる教員採用試験に合格することで教員として働くことができます。
いずれにせよ教員免許を持っていないと教員になることはできません。逆にいうと、教員免許さえ持っていれば学校で働くことは可能なのです。
多くの社会人が通信大学を活用し教員免許や資格を取得している
教員免許を取るためには、教員免許を取るために必要な勉強をし単位を取得していかなければなりません。単位は一般の大学や通信大学で取ることができます。
必要な単位だけ取得すればよいため、学費の高い、そして日中時間を長く拘束される一般的な大学を受験し入学する必要はありません。試験のない通信大学で必要な単位だけを取得すればよいのです。
働きながらでも2年半で教員免許を取得
通信大学で勉強している学生の多くは社会人です。普通に働きながら勉強しています。
私も働きながら通信大学で勉強したわけですが、それでも2年半で教員免許を取得することができました。通信大学の話では最短であれば2年で取得することができるとのことでした。
ある程度勉強をする時間さえ確保できれば、2年~3年で人生が変わるきっかけをつかめるのは確かです。
学費が安い 一般的な大学と比べるとかなりの差
通信大学は一般的な大学と比べ、学費が非常に安いです。
たとえば私が教員免許を取得した明星大学の場合、教員免許取得までに必要な学費は約35万円です。一般的な大学と比べかなり安いというのが分かると思います。
参照:通信大学の学費
自分のペースで勉強できる
通信大学でのメリットでもありデメリットは、「自分のペースで勉強をすることができる」ということです。
基本は大学へ行く必要がなく、自分1人で勉強することになります。そのため好きな時に好きな場所で勉強をすることができます。
そのため働きながらでも仕事の合間を見つけて勉強をすることができるのです。
一見良さそうに感じるかもしれませんが、自分で勉強するということは自分自身をしっかり管理しなければなりません。これがデメリットです。
計画的に勉強を進めなければ、いつまでたっても単位を取ることができないわけです。
とはいっても私の経験からすると、そこまで大変だったという印象はありませんでした。まるでゲームをクリアするかのように、単位取得を目指していました。
通信大学で取得しても同じ免許 教員免許の取得場所に優劣はない
一般的な大学でも通信大学でも取得できる免許は同じものです。どちらがよいとか悪いとかありません。
教員採用試験においても一般的な大学で教員免許を取得したのか、それとも通信大学で取得したのかということは採点基準に含まないとのことです。これは試験官の体験者に直接聞いた話です。
実際に私は小学校のクラス担任をしていましたし、周りの先生の中にも通信大学で教員免許を取得した人が数人いました。
社会人には時間を確保するのが大変!? 「教育実習」と 「介護等体験」
教員免許を取る場合、必ず「教育実習」と「介護等体験」に参加する必要があります。
「教育実習」が小学校教員免許の場合は連続4週間。「介護等体験」は「社会福祉施設」に連続5日間。「特別支援学校」に連続2日間行くことになります。
社会人にとって「連続4週間」と「連続5日間」、「連続2日間」の休みを取得するのはなかなか大変なことです。
しかし教員免許取得を目指す多くの社会人は、何とかやりくりしてこの時間を確保します。
私の場合は、アルバイトや派遣社員など時間の融通が利きやすい仕事をしながら実習に参加しました。
どうしても先生になりたいという思いがあり、2年間の我慢と思って頑張りました。
「教員免許を取るために仕事を辞める」
という人も中にはいますが、少し様子を見た方がよいかもしれません。いざ勉強を始めてみて「なんか違うなぁ」と思ったとき仕事を辞めてしまっていては再び就職活動をすることになります。
それよりもはじめのうちは働きながら、そして収入源を確保しながら時間を見つけて勉強し、「よしこれならいけそう」と思った段階でどのようにするかを冷静に考えて見るとよいでしょう。
参照:教育実習体験記
参照:介護実習体験記
気になる教員の給与 社会人経験が加味される可能性がある
社会人から転職し先生になる場合、ある程度社会人経験が加味された金額が給与として支払われます。
そのため社会人経験があれば、初任給の給料からはじまるわけではありません。
一般的な教員の給与
教員の初任給は約18万円ほどです。そして約9000円ずつ毎年昇給していきます。
さらに通勤手当、教員特別手当、住居手当などの、複数の手当てが支給されます。
参照:教員の手当ての種類
教員は地方公務員であるため、生活に困る給与かというとそういうわけではありませんし、さまざまな手当が付くこと、さらには安定しているという面からいっても魅力的な仕事といえます。
参照:教員の待遇
社会人から教員を目指すのは1つの生き方としてアリ
社会人になった後に教員を目指す人は数多くいます。そしてその多くは通信大学で教員免許を取得しています。
2年ほど免許を取るために時間はかかってしまうかもしれませんが、それだけの魅力のある仕事です。仕事内容はもちろんのこと、待遇に関しても悪くはないかと思います。
もちろん大変な仕事ではあります。それでもどんな仕事も大変であることに変わりはありません。「運営に関して」でも書いていますが、私自身、今まで経験してきた仕事の中で一番おもしろかった仕事は「教員」です。
社会人経験はプラスに働く
社会人経験は先生になった後にプラスに働くことしかないと考えます。
多くの教員は大学を卒業してすぐに教員になります。つまり学校という空間以外で働いた経験を持つ人は少ないです。
しかし教えている子どもは将来、多くの場合は学校の先生以外の職に就くことでしょう。また子どもたちの保護者のほとんどが、学校以外で働いている人たちです。
よって、社会での生き方を伝えるためには、社会人経験を持っている人の方が強いと思うのです。話にも説得力が出てきます。
よって社会人経験は先生になった後に大いに役立つ者であり、決して無駄にはなりません。
以上のように、いつからでも教員を目指すことはできます。もし転職を考えている人、教えることの興味を持っている人は考えてみてはいかがでしょうか。