学習内容の理解や知識の定着あるいは技能の習得の程度等に応じて、個に応じた適切な指導方法の工夫を行い、どの生徒も学習内容を確実に身につけられるようにすることを習熟度別指導といい、それを学習集団編成に適用することを習熟度別編成という。
1998年に告示された中学校学習指導要領「総則」に、学習内容の習熟に応じた指導方法の工夫改善が配慮事項として加えられて以来、習熟度別の指導・編成に取り組む学校が増えてきた。
今日の学級は通例、暦年齢が同じ子どもたちによって構成されるが、学習の習熟は暦年齢の進行とは一致しない。いわゆる学力差は当該学年の幅だけあるともいわれ、特に、算数・数学、国語、英語といった教科ではその差がきわめて顕著である。
習熟度に配慮することは子どもの学習権を保障するうえで当然のことだが、その方法を誤ると、いたずらに劣等感を与えてしまう恐れもあるので十分な配慮が必要である。