学校のスリム化論

学校のスリム化は、子どもの教育における学校、家庭、地域の役割分担を見直し、生活習慣のしつけなど子どもの教育にかかわる何から何までを学校に期待する、過度の学校依存を改善しようとする考え方である。

学校のスリム化は、1995年に発表された経済同友会の「合校」構想によって注目されるようになった。そこでは、学校が「基礎基本教室」とされ、その周辺に「自由教室(芸術教科や諸科学の発展のための教室)」「体験教室(自然や様々な人との触れ合い、現実体験の場)」が配置されている。そしてこれらのネットワークとして社会の教育機能を再編しようというのである。

1996年7月の中教審答申では、「生きる力」「学校において組織的、計画的に学習しつつ、家庭や地域社会において、親子の触れ合い、友達との遊び、地域の人々との交流などの様々な活動を通じて根づいていく」との観点から、家庭や地域社会での体験活動の機会の拡充とともに、学校の教育内容を基礎・基本に絞る教育内容「厳選」と行事や会議の精選の方向が示された。また、中学校などでの部活動を社会体育へ移行することが主張されるが、現実にはなかなか進んでいない。

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