研修の評価

平成12年の中央教育審議会答申「今後の教員免許制度の在り方」は、「研修の成果」を評価するよう提唱し、次のように述べている。「これまで初任者研修をはじめ任命権者の実施する研修や、個々の教員の自主研修について、研修やその成果についての評価が十分になされてきたとは言えない。

研修については、その成果について評価し、個々の教員に対するその後の指導や研修の在り方にフィードバックすることが求められる。研修成果は一般に研修後の教員の授業や学級経営等の諸活動において力量の向上が見られたかどうかによって図られるものであり、研修後の勤務実績の評定が適切に行われ、その後の教員に対する指導や研修計画に生かされるよう努めることが必要である。」

このような研修と評価とを結びつける発想は、指導力不足教員への対応においても見られる。教員個々人の具体的な職能成長の到達点を明らかにし、さらなる成長を促すための出発点を明らかにするという意味で、このような視点は、今後ますます重視されると思われる。しかし、研修は、成果がすぐに現れやすい知識・技能習得型(例えばコンピュータ研修等)ばかりではなく、その成果が現れるのに時間がかかるものや、教師としての成長段階を追って成果が現れるものもある。

さらには、その成果は、「何をどこまで習得したか」という点からだけではなく、多様な子どもたちを前に、それを自分の学級や学校の実践にどう生かしていくかという側面から評価されるべきものもある。そういった意味では、研修の成果を評価する場合には、教師の教育実践における創造性と多様性を生かすような評価方法や、教師のさらなる研修意欲を喚起するような評価方法が工夫・開発される必要がある。

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