10年経験者研修と免許状更新制度

平成12年12月、教育改革国民会議が最終報告書において、「教師の意欲や努力が報われ評価される体制をつくる」観点からの提言の1つとして、「教員免許状更新制の可能性の検討」が提言された。これを受けて、中央教育審議会が免許状更新についての検討に入ったが、平成14年2月の答申「今後の教員免許制度の在り方について」において、任期制を導入していない公務員制度全般との調整の必要性や、免許状授与の際に教員としての適格性を判断しないで更新時にのみ適格性を判断することは制度上無理があることなどが示された。

そのため、更新制度の導入を断念し、代わって、人事管理システムの構築や免許状の取り上げ自由の強化とともに提言したのが、「10年経験者研修」であった。これを受けて、平成14年5月、教育公務員特例法の一部改正が行われ、「10年経験者研修」がスタートした。

その内容は、国公立学校の任命権者に対し、教員の在職期間が10年に達した後に、個々の能力、適性などに応じて、資質向上に必要な研修を義務づけるものである。研修期間は、校内研修と校外研修がそれぞれ20日間程度となっている。また、実施に当たっては、任命権者が、研修を受ける者の能力・適性などについて評価し、その結果に基づいて、対象教員ごとに10年経験者研修の計画書を作成することを義務づけている。

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