地域の人材の活用は、主にボランティアとして地域の人々の協力を得るという形で行われている。そこでは、保護者による学習アシスタントや学校外での活動の応援、様々な経歴や職業を持つ人々の体験談、高齢者や障害者との交流、地域の伝統や文化のレクチャーなどが実施されている。そして、このようなボランティア希望の人々に、「人材バンク」に登録してもらい、必要に応じて各学校に紹介する自治体も最近増えている。
このように地域の人々に協力してもらうことは、学校と地域の連携を高めるとともに、開かれた学校への第1歩となるであろう。しかし、例えば事前の打ち合わせのための時間調整がなかなかできないことや人材の確保に困難があることなど、課題が多いことも確かである。それらの課題を解決するにあたって、教員の意識改革や努力のみに求めるべきではない。
既存の学校が地域の人材の活用を無理なくし続けることができるようなシステム作りをしなければ、まったくの本末転倒になってしまうことはいうまでもない。