いつの時代になっても「イジメ」はなくなりません。
そもそもイジメと言うのは、人によって捉え方が異なるものです。悪口を言われたからイジメられたと感じることもあれば、殴られたからイジメられたと感じる場合もあります。
本当に人それぞれです。
ただ、相手がされて嫌なことをすれば、そしてそれを連続して行えば、「イジメ」と取られてもおかしくないのかもしれません。
また、相手に嫌なことをされても、それを解決する方法を見つけることも大事だと思います。更には、周りが気づいてあげる、助けてあげることも必要でしょう。
たかがイジメ、されどイジメ。心に残る傷は当人にしか分かりません。
教育現場でのイジメアンケートの意味
教育現場ではイジメに関するさまざまな取り組みがなされています。学校や地域によってその取り組みは異なってくるとは思うのですが、個人的に興味深いと思ったのがアンケートです。
アンケート内容としては「イジメはあるか」や「イジメられたことはあるか」、「どのようなイジメを受けたか」などが質問事項としてありました。
正直、そのクラスでイジメについての問題が発生したことがないと思っていたため、イジメが存在するという回答はないだろうと思っていました。ちなみに変な先入観を与えてしまってはいけないため、何の説明もせずにアンケートに答えてもらうスタイルを取りました。
アンケートを集め見てみると驚きました。数件ではありますが、イジメの存在を認めるような回答があったのです。
ただその内容を見てみると「バカと言われた」「悪口を言われた」「にらまれた」という物でした。
イジメは受け取り手がどう思うかにもよる
「バカと言われた」「悪口を言われた」はイジメに入るのでしょうか?これは意見が分かれるところかもしれません。単発で言われただけであれば該当しなさそうですし、継続的であれば該当するのかもしれません。
「にらまれた」というのも単に視力が悪かっただけかもしれませんし、たまたまかもしれません。その時の一時的な感情かもしれません。
正直分かりません。ただ言えることは、「そんなこと?」と思うことでも「イジメられた」と思う子どもがいるということです。
つまりイジメの性格上、受け取り手側が「私はイジメられた」と思えば、イジメが成立しかねないということなのです。
イジメを理解していないと思った
イジメがどういったものであるのか、そしてその境界線はどこにあるのかは明確には私はわかりません。ただそのアンケート結果を見た後に、子どもたちに話した内容は以下のような感じです。
「悪口を言われたとか、にらまれたとか、それらはイジメにはつながらないと思う。ただし長い間何度も同じことがあったとしたら、それは言われた方、やられた方が嫌な思いをし続けることになるからやめるべきだと思う。
そしてケンカとイジメは違うものだと思う。
集団で1人の人間を仲間外れにしたり、悪口を言ったりするのはイジメと判断される可能性があるからやめるべきだ。もし気に入らないことがあるのなら、1対1で話し合うなりなんなりすればよい。
もしその時、どっちが正しいのかよく分からない、もしくは解決しないのであれば、積極的に先生や、周りの大人に相談するべきだ。」
学校とは勉強をするところであり、社会に出たときに困らない人間を育てるところだと思っています。要するに子どもたちは分からないことが多いのです。
そのためイジメについても、どれだイジメでありどれがそうではないのかの判断が付かないのです。ただそれは大人だってそうだと思います。人によって判断が分かれてしまうことでしょう。
イジメを発生させないためには
あくまでも個人的な意見ですが、イジメというのは徐々に発生するものです。はじめはほんの些細な事だったりします。そのため本格的なイジメとなる前に、問題を解決することが重要であると思うのです。
つまりほんの些細なことを、どれだけ早い段階で周りの大人が発見できるかどうかです。クラスをしっかり見ていれば、何か問題が発生する、もしくは発生しそうになると雰囲気で分かるものです。
たとえばですが、子どもの視線で合ったり、表情、態度、空気感、言葉使い、一緒にいる相手、休み時間の行動・・・。非常に多くの判断材料があります。これらの判断材料をしっかりと把握しておけば、ある程度の問題はすぐに気づくことができます。
その上で先生が介入するのか、しばらく様子を見て自分たちで解決させるよう促すのかを決めればよいのです。
ただこれはおそらく誰でもできることではないと思います。それまでにどれだけ多くの人と接してきて、良くも悪くも多くのトラブルに巻き込まれてくるような体験が無ければ、そしてもしかしたら先天的なものを持っていないと、いくらベテランの先生でも見逃すこともあるかもしれません。
なので、学校の先生というのは勉強を教えることはもちろんですが、このような能力を少しでも磨く必要があり、そのためには先生になる前の経験、先生になってからでも多くの人と接し、人間力を磨く必要があるのだと思います。
イジメ問題について教育経験者にインタビュー
イジメ問題について、教育関係の仕事をしている人、そしてしていた人にインタビューをしました。
教育に携わっていた人でも、イジメについての考え方がそれぞれ違います。