各教科ごとに、教育目標を設定し、教授・学習されるべき内容と方法を計画し、実施し、児童生徒の実態を踏まえてたえず修正していく営みが、教科経営である。
学校で児童生徒が学ぶべき知識・技能を、一定の学問体系に即して類型化し系統的に配列したものが教科であり、それは学校教育活動の内容の根幹を成している。したがって学校経営は、学級・学年レベルの経営と同時に、学級・学年を超えた教科ごとの経営と常に関連づけて進められる必要がある。
中・高校の場合、個々の教員のアイデンティティとして「教科」の存在が大きいこともあって、教科単位の経営という概念は比較的理解しやすいだろう。それに対して小学校では、校務分掌上の組織はあっても、教員個人レベルでは意識しにくいかもしれない。だが、教科の授業が学校教育の根幹であり、それは児童生徒の学校生活の大半を占めるものである限り、教科経営の重要性は明らかである。