教育実習は教員免許を取得するためには欠かせない単位の1つです。
通信大学でも通信教育でもなんでも、教員免許を取得するのであれば教育実習は「必修単位」となってきます。必修単位とは「必ず取得しなければいけない単位」ということです。
逆にいうと教育実習に行かずに教員免許を取得することはできないということです。教員免許を取るのであれば誰もが必ず参加し単位として修得しなければならないのです。
たとえば小学校の教員免許を取得する場合には、連続4週間、教育実習に行く必要があります。
教育実習は分割で行くことはできないため、何としてでも4週間という時間を確保するしかありません。そして実習の日程は受け入れ先である学校が決定します。
また通信大学の学生は、基本的に受け入れ先の学校を自分で探す必要があります。意外とこのあたりで苦労する人もいることのことです。
ここからは、当サイト管理人自身が経験したことを中心として紹介していきたいと思います。
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通信大学での一番の問題点が教育実習といわれる理由
通信大学で教員免許を取るときに、一番の問題とされているのが「教育実習」です。
実習先は基本的には学生自らが探さなければなりません。そして交渉も自分で行います。
私自身も、自分で出身小学校に連絡をし、実習受け入れのお願いをしました。
都道府県、そして市町村によっては教育委員会や校長会を通さなければならないケースがあるようです。そのためこのあたりを早めに確認したほうがよいです。
早めに行動しないと受け入れてもらえなくなる
学校にもよりますが、教育実習の実施期間は「4月上旬~7月上旬」と「8月下旬~12月上旬」あたりが主となります。
そしてその時期に受け入れてもらうためには、かなり早い段階で受け入れ先を見つける必要があります。目安としては実習を行う予定の前年の春くらいには動き出した方がよいと思います。
またあくまでも受け入れの時期を決めるのは受け入れ先の学校側です。こちら側の都合は基本的に考慮されません。
学校は年間行事予定を中心に回っている
学校という組織は、年間行事予定通りに動いています。
そして年間行事予定は前年に完成しています。その中に教育実習を入れるため、完成する前に入らなければなりません。
実習予定校への連絡は早い分には何とでもなるのですが、遅くなってしまうと年間行事予定が完成してしまい受け入れてもらえなくなってしまうのです。
よって実習予定の1年前には遅くても実習校を探し交渉し、受け入れを承諾してもらうまで話を進める必要があります。
他の通信大学でも同じ
実習校を自分で探すのは、通信大学で教員免許を取るのであればどこも同じだと思います。
星槎大学と佛教大学の公式ホームページで確認したところ、どちらも自分で探すという内容が書かれていました。
そのため、この自分で探さなければならない点が、もしかしたら人によっては大変と感じるのかもしれません。
教育実習で教員の世界を垣間見ることができる
教育実習は、その後の教員生活を左右する実習といえるでしょう。
なぜなら良くも悪くもですが、教員の理想と現実に直接触れることができる機会であるためです。
教員への憧れをさらに大きくする人もいれば、理想とは全く異なるもので教員への道を断念する人もいます。
目線が変わり考えが変わることも
私たちの多くが知っているのはあくまでも「自身が学校の生徒だった時の生徒目線」でしかありません。
その目線で先生という仕事に憧れを持っていたとしても、「先生側の目線」になったときに、その憧れが変わってしまうことがあります。
ほんの数週間の間ですが、教育実習中に先生側の目線になるということは非常に貴重な体験となるのです。
この体験により、人によっては教員という職業に対する考え方が変わってくることもあるでしょう。
担当教員によって大きく左右される
教育実習がどのようなものになるのかは、担当に付く指導教員の存在が大きく左右すると思います。
指導教員との相性は非常に大事であり、こればかりは「運」としかいいようがありません。
教育実習中、主に面倒を見てくれるのはこの指導教員であり、指導教員の指示1つで教育実習の在り方が変わってくると思います。
指導教員と合わなかった
ちなみに私は指導教員との相性はよくなかったと思います。私自身にも問題があったと思いますし、心当たりもあります。
それでも他の先生の中で、「こんな先生っていいな」と思える人がいました。
その結果、数年後に教壇に立つまでになったのだと思います。
もし指導教員との相性が悪かったとしても、一つの社会勉強くらいの気持ちで取り組めばよいと思います。
教育実習へのちょっとしたアドバイス
教育実習を参加した人によって感想が異なります。
ポジティブな意見を持つ人もいれば、ネガティブな意見を持つ人もいます。
教育実習を経験したことのある私からいえることは「何があろうとも決してくじけず、楽しんでください。」ということです。
教育実習のために時間の確保 実習は連続で行う必要あり
教育実習は連続で参加しなければなりません。そのためまとまった時間を確保しなければなりません。
小学校の教員免許を取得するのであれば、連続4週間の時間を確保しなければならないのです。
「1週間ずつ4回に分けて」とか「2週間ずつ2回に分けて」といったような分割をすることはできません。
たとえば以下のような感じです。
左側は、6月1日~6月28日まで連続4週間で実習となっています。これはOKとなります。
ところが右側は、6月1日~6月14日まで実習。そして2週間空いて6月29日~7月13日に実習となっています。これは「連続」ではないためNGとなります。
学生であれば連続4週間の実習時間を空けることはできることでしょう。しかし働く社会人となると難しくなってしまうことでしょう。
この点については、「何とかするしかない」です。
日程は受け入れ学校が決定する
教育実習が行われる日程は、受け入れ先の学校が決定します。
基本的に日程に対し自分の希望を出すことはできません。受入れの学校が「〇月〇日から教育実習」と決定してきたらそれに従うしかありません。
※もしかしたら融通が利くこともあるかもしれませんが、私はこの交渉をしませんでした。また受け入れてもらう身だったので、すべて言われた通りにしました。
社会人にとって実習は最大のネック
働きながら通信大学で教員免許を取得する社会人にとって、「連続での実習」という点が最大のネックとなる可能性があります。
働く社会人はまとまった時間が取りづらいが・・・
社会人にとって連続で休みを取るのはなかなか難しいことでしょう。
しかし実習が分割できることはありません。教員免許が欲しいのなら、何としてでも教育実習の時間を確保する必要があるのです。
実習が終わるまでアルバイトとして働いた
私の場合はですが、敢えて正社員とならずにアルバイトの状態で働き続け時間を確保しました。
もちろん収入の面で不安はありましたが、正社員になってしまったら長期的な休暇を取ることは難しいとわかっていたためです。
本当に教員を将来の職業として考えるのであれば、もしかしたら私のような選択もあるかと思います。
どんな方法であれ、何としてでも時間を確保するようにしましょう。
学校現場は独特な世界 謙虚な姿勢が必要
学校現場は独特な世界です。そして謙虚な姿勢が好まれやすいです。
基本的には縦社会です。教育実習中は常に「教えてもらう」といった姿勢で臨む必要があります。
そのため、たとえば授業見学をさせてもらう際には「教えてもらう姿勢」、「謙虚な姿勢」で臨むとよいと思います。
生意気な態度は絶対にNG
私はさまざまな環境で仕事をしてきましたが、その中でもとくに学校社会は独特なものだと感じました。
繰り返しますが、謙虚な態度が必要に大切だと思います。
謙虚な態度とは、たとえば「教えてください」「ありがとうございます」「よろしくお願いします」といった感じです。
教師間でもこれが当たり前の世界ですので、そこから逸脱した態度で教育実習に臨めば悪い印象を与えてしまいます。
ちなみに教育実習の単位を落とす人はいるそうです。
教育実習の単位が取れなければ、当然のことながら教員免許を取ることができません。そのためにも常に謙虚な姿勢、教えてもらう姿勢で臨むことが肝心です。
極論を言ってしまうと、授業が下手だったり子どもへの対応がいまいちだったとしても、謙虚な姿勢で真面目に実習期間を過ごしていたほうが単位は取れると思います。
担当教員は完全に運
教育実習生活を大きく左右するのは「担当教員」です。担当教員がどのような人なのかにより、実習生活が天と地ほどの違いとなります。
- 「担当教員が良かったため、教育実習が楽しく、将来本気で先生になろうと思った」
- 「担当教員が悪く、教育実習が悪いものとなり、こんな先生ばかりなら将来先生にはなりたいと思わない」
こんな言葉を聞いたことがあります。
人によっては教育実習で関わった担当教員によって、先生になりたいという夢を大きくする場合もありますし、失ってしまうこともあるのです。
そして担当教員が誰になるのかは、教育実習を受ける側としてはわかりませんし、当然指定することもできません。
ただ教育実習で苦労した私からは、「たった一人の担当教員のために自分の夢を諦めないでください」といわせてください。
そのような先生ばかりではありません。
担当教員側からすると受け入れは大変
教育実習の担当教員からすると、教育実習生の面倒を見るということは大変なことです。
日頃の業務にプラスされ教育実習生の指導をしなければならないのです。ただでさえ毎日の業務が大変にも関わらず、ある意味、余計な仕事をしなければならないのです。いつもよりも帰宅時間も遅くなることでしょう。
このようなこともあるため、そもそもはじめから不満を抱えている先生もいます。
逆に担当教員になるということは、教員人生の中で先生側にとっても貴重な経験となります。受け入れをポジティブに考えている人もいます。
貴重な経験であることに間違いはない
教育実習は教員免許を取る際の一大イベントとなることでしょう。
良いことも悪いこともあることでしょう。
ただ1ついえることは、どんな状況にしろ「常に謙虚な姿勢」「教えてもらう姿勢」で臨めば、少なからず無難に過ごすことができるかと思います。
あくまでも教育実習は単位を取るために行くものです。
よい実習となればよいですが、悪いものだったとしても割り切って実習に望めばよいと思います。そう、私のように・・・。