通信制大学は学歴ならないという話を聞くことがあります。しかしそれは誤りです。「学歴になります」。これが結論です。
そもそも学校教育法の第八十四条に「大学は、通信による教育を行うことができる」と定められています。これは通信制の大学は一般的な通学課程の大学と同じということになります。
そして学校教育法の管轄は文部科学省であるため、結論として通信制大学は文部科学省が認める大学となります。
そのため通信制大学を卒業することで大学卒業資格である「学士」を得ることができますし、最終学歴は「大卒」となるのです。よって通信制大学は学歴になるということです。
調べればわかることではあるのですが、これが全国民が知っていることかというとそうではないでしょう。そして通信制大学のことを勘違いしている人がいることは事実です。
よって「通信制大学は学歴にならない」と思ってしまっている人がいるのです。安心してください。立派な学歴になります。
何を「学歴」と考えるのか 出身大学?大学卒業?
前提として、何を学歴と考えるのかによります。
そもそも学歴とは、これまでの学業上の経歴となります。
その学業上の経歴の最終学歴と「大学卒業」にしたいということであれば、一般の大学でも通信大学でも可能となります。
何を求めているのか 何を求められているのかによる
「学歴」に何を求めているのかにもよります。
多くの場合が就職の際に「最終学歴が4年制大学卒業という学歴が必要」と考えるかと思います。
しかし採用する側が何を考えているのかによっても、変わってくるのです。
つまりいろいろな状況が考えられるのです。
- 4年制大学卒業であればみんな同じ
- 〇〇大学以上を卒業していないといけない
- 通信大学のことを知らない
- 通信大学を知ってはいるが勘違いをしている
- 通信大学のことを知っていて大変さも知っている
採用する側の価値観や知見による
もし採用する側の人間が、通信大学のことをよく知っている人物であれば、通信大学を卒業することの大変さを知っているということです。それであれば評価されることでしょう。
しかし一定の偏差値以上の大学卒業者しか対象ではないという考えであれば、通信大学卒業者は全く評価されないことでしょう。
つまり通信大学を学歴であると考える人と、学歴ではないと考える人が世の中に入るということです。
もし世の中すべての人に認められたいということであれば、誰もが知っている偏差値の高い大学に受験で合格し入学し卒業する必要があるでしょう。
通信制大学は学歴になる しかし知らない人がまだまだいる
通信制大学を卒業することは学歴となります。しかしそのことを知らない人は結構います。実は私自身がそうでした。
まず通信大学の存在を知らない人も一定数いるのです。
そういう面を持っている一方、普通に認識されている世界もあります。たとえば「学校」です。
学校の先生たちからしてみると、通信制大学の存在はよく知られています。教員免許を取ることができますし、免許を上位免許にすることもできるためです。
学校の先生の間では知られている
私は通信制大学で小学校の教員免許を取得しました。そのきっかけは、小学校でアルバイトをしていたときにある先生から「通信制大学で教員免許を取ったら?」と言われたからです。
それを言われるまでは、通信制大学があるということ、そしてそこで教員免許を取れるということを知らなかったのです。
他の先生にも聞いてみると、聞いた先生は全員、通信制大学のことを知っていました。
そこで調べてみると通信制大学は日本全国にありました。私の場合は教員免許を取得しました。実際にその免許があったからこそ、小学校でクラス担任として働いていました。
そして通信制大学ではさまざまな資格も取ることができます。同じように大学卒業資格も取ることができるのです。大学卒業資格が取れるということは、学歴になるということなのです。
大学卒業資格が欲しい人におススメする通信大学で「学士」を取る方法を紹介。
日常生活の中で知ることはない
一定の業界や職業の中では当たり前と思われている通信制大学ですが、それ以外の場所で生活をしているとなかなか知る機会はないのかもしれません。
人の中には、「自分の知らないこと、理解のできないことは否定する」と人も一定するいるため、仕方のないことかもしれません。
同じように、「〇〇大学以上でなければ価値がない」と思っている人もいます。そういった人と同じではないでしょうか。
通信大学で取得した教員免許で先生として働いた経験
少し話がそれますが、私は通信大学で教員免許を取り、小学校でクラス担任として働いていました。
もし通信大学で取得する免許や資格が正式なものでなければ、学校という公的機関で働けるわけはありません。
そして全国的にこれまで多くの人が通信大学で教員免許を取り先生として働いています。
資格も同じです。
多くの人が通信大学で資格を取り、その資格を活かして働いています。
どれも正式に認められているものなのです。
大学卒業資格も資格です。そのため正式なものです。
ただよくわからない人や偏見のある人が否定的になっている事実はあります。
通信制大学はやめた方がよい そう考える人の意見とは
通信制大学はやめた方がよい!
そういった意見が聞かれることはあります。
ではそのようにいってきた人に聞いてみるとよいでしょう?
「なぜそう思うのか?」と。
恐らくですが、まともな回答ができる人はいないことでしょう。もし答えてきたとしても根拠のない個人的な感想となるはずです。
それもそのはずです。本当は通信制大学で取得した大学卒業資格は学歴になるためです。冒頭でもお話ししましたが、文部科学省が認めているのです。
一般的ではなく広くは知られていないという現実
「大学」といえば「通学するもの」という固定観念が多くの人についていることは確かです。
そのため、通信制大学が広く認知されていないことも事実です。
広く認知されていないから、通信制大学のことをよく知らずに誤解している、または否定的な考えはどうしてもいます。
しかし近年では通信制高校の数が増えてきており、それと同時に通信制大学の存在も知られるようになってきたことでしょう。
それでも誤ったイメージが先行してしまっている感じがします。
定時制高校のイメージと同じにしている可能性
定時制高校と通信制大学を同じように考えている人がいるようです。
定時制高校とは以下のような人が通っています。
- 昼間仕事をする必要がある人
- 全日制高校の受験に失敗してしまった人
- 最終学歴を中卒から高卒にしたいと考えている人
- 勉強が苦手であったり、中学に行けず内申点が悪かった人
他にもさまざまな理由があることでしょう。
ただし「定時制高校に行っている人=勉強が苦手=遊んでいる・不良」というイメージを持っている人がいます。
そういった人からすると「定時制高校=通信制大学」と勝手な勘違いをしてしまっているのです。
通信講座と勘違いしている可能性
通信講座と通信制大学を勘違いしてしまっている人もいることでしょう。
通信講座といえば、「民間の会社が主催しており、在宅で直接先生に教えてもらわずに、送られてきた教科書を中心にして勉強する」というイメージがあるかと思います。
そのため「ちょっとした資格を取るための仕組み」と軽視されることもあります。
しかしそれは勝手な勘違いです。通信講座で資格を取ることがどれだけ難しいかは、やったことのある人でなければわかりません。
さらに通信制大学の場合、民間の会社が主催しているわけではありません。文部科学省が認定している学校です。通学課程の大学と何も変わりはありませんし、取得できる大卒資格も全く同じものとなります。
通信制大学を卒業する方が難易度が高いという見かたも
通信制大学を卒業する方が、一般的な大学を卒業するよりも難易度が高いです。これは数字が証明しています。
たとえば一般的な通学制の大学の場合、卒業率は約80%~約90%とされています。
一方、通信制大学の卒業率は、約50%~約60%前後となっています。
- 星槎大学 約60%
- 東京未来大学 約54.4%
- 慶応大学 約48.3% 新入生が627人、卒業生:303人
- 早稲田大学 約60%
つまり数字からすると、通信制大学の方が卒業しにくいという状況であるということがわかると思います。
それはつまり、「通信制大学の方が卒業の難易度が高い」という捉え方ができるのではないでしょうか。
難易度が高いのに学歴にならないのであればだれも通信制大学を利用することはありません。しかし通信制大学に在籍している生徒数は、当サイト調べでは約20万人となっています。
約20万人の人が、わざわざ難易度が高く学歴にならない学校に通うと思いますか?そんなことはないのです。
星槎大学のスタッフに直接聞いた
星槎大学のスタッフに直接聞いた話では以下の通りとなっています。
Q:大学卒業を目的として入学してきて、どのくらいの学生が目的を達成できていますか?
A:約60%です。
参照 星槎大学
東京未来大学のスタッフに直接聞いた
東京未来大学のスタッフに直接聞いた話では以下の通りとなっています。
Q:大学卒業を目的として入学してきて、どのくらいの学生が目的を達成できていますか?
A:2020年度の実績値で、卒業率は54.4%です。3年次編入学をした方の中には卒業を目指さず、目標達成後に「修了(退学)」する方もいますが、こちらは卒業生としてのカウントはしていません。
参照 東京未来大学
慶応大学(通信課程)の卒業率が低いという噂は本当か?そんなことはない!
ちなみに慶応大学(通信課程)の卒業率を調べてみると、さまざまなサイトでは3%であったり5%であったりという数字が記載されていました。
ちょっと信じられません。
そのため当サイトでは、慶応大学の公式サイトに掲載されている数字から計算してみることにしました。
計算結果は約48%の卒業率 ネットの情報とは異なる結果
まず2023年度に新入学した生徒数は627人でした。そして2022年度に卒業した生徒数は303人でした。入学した人たちが卒業したデータではありませんが、毎年同じくらいの学生が入学し卒業するものです。
そのため、入学者が627人であり、卒業者が303人ということで計算してみました。すると卒業率は約48.3%となりました。
他のサイトがどこから数字を持ってきたのかは知りませんが、この数字であれば他の通信制大学と大きく変わらない数字であり、現実的な数字であるかと思います。
流石に5%以下というのはないと思いますし、もしそうであればだれも選ばない気がします。
またこの後お話ししますが、早稲田大学の通信でも卒業率は約6割です。そう考えると、はやり卒業率が5%以下というのはちょっと間違っているのかなぁと思うのです。
早稲田大学(通信課程)の卒業率は約6割
早稲田大学の通信課程である「人間科学部eスクール」ですが、公式サイトのQ&Aを見てみると卒業率が記載されています。
Q:卒業率、進学率はどのくらいですか?
A:2022年3月までの卒業生は1,800名以上で、入学者の約6割弱にあたります。卒業生のうち約2割の方が大学院に進学されています。
ここまででわかるように、通信制大学の方が一般的な通学制の大学よりも卒業率は低いということがわかることでしょう。
また慶応大学の通信課程に限っては、インターネット上にある数字がおかしいということもわかると思います。
勉強内容が難しいのではなく2つを同時に行うのが難しい
この後でも触れますが、通信大学の卒業率が低いのは、勉強内容が難しいということではないと思います。
結論として言うと、
- 通信大学で勉強する人の多くは仕事をしながらの勉強である
- 自己管理を行いながら継続的に勉強をする必要がある
通信大学経験者の私からすると、とくに上記の2点が卒業率に影響しているのではないかと思うのです。
通信大学の卒業率が低い理由
私の経験上の話です。
私は通信大学で教員免許を取ったためわかるのですが、通信大学の卒業率が低い理由は学生が忙しい、そして自己管理が難しいためだからだと思います。
通信大学に通う生徒の多くは社会人です。つまり仕事をしています。仕事と勉強を両立させなければなりません。
次に自分で時間を確保して勉強をしていくことになります。自主的に勉強をし、そのために自分で時間を作る必要があります。
そして継続的にモチベーションを維持させる必要があります。
実際に私の知り合いも通信大学で大学卒業資格を取ろうとしましたが、これらのことが原因となり途中で辞めてしまいました。
逆にいうと、このような状況の中でも卒業する人はタフであり努力家であるとのいえるのかもしれません。
通信制大学の方が社会生活・仕事をする上での力が身に付くという考え方
通信制大学を卒業している人は、自分に厳しい、自分のことをしっかりと管理できる人であると考えます。
それは「通信制大学を卒業するためには、自己管理と継続力が必要となるため」です。
通信制大学の方が卒業率が低い2つの理由
通学よりも通信制大学の方が卒業率は低いです。
その理由はここまでもお話ししましたが、以下のことが挙げられます。
- 自己管理をしなければならない
- モチベーションを継続させなければならない
日本の大学は、授業に出てさえいれば単位が取れます。または授業に出て話を聞いていれば、やはり単位が取りやすいです。
そして大学の案内に従って生活をしていれば、どの単位を取らなければならない、この先どう言った行動をしなければならないということを教えてくれます。
つまり大学側が生徒をしっかり管理してくれるのです。
通信大学は自己管理が基本
しかし通信制大学はそういった感じではありません。基本的にすべて自分で管理する必要があります。
- 勉強する時間配分
- どの単位を修得するのか
- どのようにレポートを書くのか
- いつまでにレポートを提出するのか
- いつまでに試験を受けるのか
これらをすべて自分で考えます。
通学制の大学のように、大学や教室という空間に行けば何とかなるわけではなく、すべて自分で管理して勉強をすすめる必要があるのです。
自分で勉強をする習慣がない人には、かなり大変であり、それが卒業するまで続くわけです。
このような面からしてみると、通信制大学の方が圧倒的に大変なのです。だからこそ、途中で退学してしまう人も多いのです。
勉強が難しいとかそういうことよりも、自己管理が難しいのです。
まとめると、通信制大学を卒業した人というのは
とも取れるのではないでしょうか。
そのため、通信制大学のことを知っている人であれば、このような人材こそ採用をしたいと考えるのが普通でしょう。
通信制大学卒業は就職で評価されないというウワサ
通信制大学を卒業した人は、就職で評価されないという噂があります。
このような噂があることは事実です。
だからこそ、通信大学を卒業しても学歴にならないといわれているのかと思います。
通信大学のことを知らない人もいる
通信大学のことをよくわかっていない人はいます。
よくわからない上で、通信大学を学歴として認めず、その結果、就職で評価されないにつながっていくのです。
そもそもですが、そう言った人が人事をしている会社には就職しない方がよいと思います。
世の中にはいろいろな人がいます。
- 大学の名前でしか評価できない人
日本は現在でも学歴社会といえます。そのため卒業大学の名前でレベルを判断されることがあります。古い考え方ではありますが、まだ根強く思っている人がいるのも事実です。 - 自分の知っていること以外は評価できない人
世の中のことを、自分の物差しでしか図れない人がいます。
たとえ偏差値70以上の大学出身者だったとしても批判されることもあります。
- 高偏差値の大学を卒業したのにそんな仕事もできないのか
- 勉強以外のことは全く知らないんだな
これはどの大学、どの通信制大学に行ったとしても起こることです。
評価されないような会社には就職しないほうがよい
上記でも触れましたが、通信制大学自体を批判する人はいます。
いますが、批判する人はどんなことに関しても批判するものです。気にするだけ無駄です。
たとえば私は通信大学で小学校の教員免許を取りました。学校でもクラス担任として働いていました。
しかし同僚からも保護者からも、それに関して批判されたことはありません。
それは相手にしっかりと理解があったためです。学校現場では通信制大学を利用した先生は他にもいました。通信制大学は先生の間では一般的なのです。
そのため、通信制大学のことをよくわからず、批判をしてくるような会社にははじめから入らなければよいと思います。そもそも批判をしてくる人は、何かにつけて批判してきます。
通信制大学の卒業率を約10%?ネガティブな噂がネット上にあるが・・・
インターネット上で通信制大学の卒業率がおおよそ10%前後であるといった内容の資料を見つけることができました。大学名が記載されているため、もしかしたら信じてしまう人も多いかもしれません。
当サイトの見解としては、この資料は誤ったデータである、もしくは誤解を招いてしまうデータであると思います。
そしてこのようなネガティブな情報が、通信制大学の評判を下げてしまう一端を担っているかと思います。
当サイトとしても通信制大学の卒業率についていろいろ調べてはいますが、どうしても卒業率が10%前後ということはないと考えています。
理由は以下の3つです。
- 当サイトは直接、複数の通信制大学に卒業率を聞いたことがある。
- 当サイトは通信制大学の公式サイトの数字を参照している。
- 入学者数に免許や資格取得目的の学生を入れている可能性がある。
以上のことから、通信制大学の卒業率が10%前後であるという表現は、少なくても当サイトでは誤っているのではないか思っています。
当サイトは直接大学にインタビューした
当サイトは長年運営しており、なるべく正しい情報を伝えようと考えているため、直接複数の通信制大学にインタビューをさせてもらいました。
そこで教えてもらったデータでは、卒業率が概ね50%〜60%ありました。
通信大学は免許や資格を取得したら退学するのが普通
通信大学の卒業率の数字を低く紹介しているサイトは、「入学者数に免許や資格取得を目的とだけしている学生を入れている可能性」があります。
免許や資格を取ったら退学をするのが普通
通信制大学を活用する学生の目的はさまざまです。
- 大学卒業資格を得るため。・・・最終的に「卒業」
- 教員免許や資格を得るため。・・・最終的に「退学」
- 生涯教育のため。・・・「卒業 or 退学」
この中で「教員免許や資格を得ることを目的」としている人たちは非常に多いです。
その人たちは目的の免許や資格を取ったら通信大学を退学することになります。卒業するわけではありません。
私自身も通信制大学で小学校の教員免許を取得しましたが、必要な単位を習得したあと退学をしました。
結局必要なのは教員免許を取得するために必要な単位だったため、退学しても問題ないのです。(一応通信制大学側に質問したら、退学で問題ないという回答をもらってから退学しました。)
つまり、目的を果たして通信制大学を退学する人は非常に多いのです。
具体的に数字を挙げて説明
たとえば通信制大学に100人入学したとしましょう。半分の50人は大学卒業資格を得るために入学したとします。もう半分の50人は免許や資格取得目的だったとします。
大学卒業資格を目指していた50人全員が、卒業資格を得たとしましょう。一方、目的の免許や資格を取得した50人は退学したとします。
するとその時点で入学者数は100人だったのに、卒業した人は50人となってしまいます。卒業率は50%ということになるのです。
おそらくインターネット上に出回っている極端に低い卒業率の数字は、このようにして算出されたのではないのかと推測します。
もし通信制大学の卒業率が10%前後だったら
たとえばもし通信制大学の卒業率が10%前後であった場合、大きな問題となるかと思います。
通信制大学は文部科学省が認める大学です。普通の大学と変わらないのです。
その大学が卒業率がそこまで低かった場合、このシステムを長く続けているでしょうか。必ず問題になります。
そしてそもそも誰も通信制大学に入学しようとは思わないでしょう。
ただし通信制大学に対するネガティブな評判があることは事実です。これは一般的な大学に対しても同じことが言えます。最終的には自分がどう判断するかだと思います。
私は通信制大学を卒業したわけではなく、教員免許を取っただけですがよかったと思っています。